はじめに
近年話題のグリーンラッシュと言われる新ビジネス。主にCBDや嗜好品としての大麻、マリファナを用いた産業で、誤解や危険なイメージを持たれることが多いと思います。しかし、大麻草自体は、工業や健康・美容関連等、様々な分野で重宝されています。今後も大きな成長が期待されているのが麻産業です。
もちろん日本には大麻取締法という規制があるので、欧米諸国と全く同じようにビジネスを展開するということはできません。
今回は、大麻関連製品の販売・流通に関わることで、麻ビジネスに参入する方法についてまとめました。現代社会で忙しく働く人々に向けて、栄養価の高い健康食品として、ストレスを緩和するサプリメントとして、自ら売り出してみたいですね。
日本で合法な大麻関連製品
大麻草に含まれる有効成分であるカンナビノイドは104種類あり、THC(テトラヒドロカンナビノール)やCBD(カンナビジオール)と呼ばれるものがその一種です。カンナビノイドは国や地域によって、それぞれの取り締まり方は異なります。
日本では、精神作用をもたらすTHCの濃度が3%以上の品種、THCを多く含む花穂や葉や未熟な茎の部位は規制されています。つまり、日本で合法なものは、THC濃度が3%未満の品種で、大麻草の種子もしくは成熟した茎由来の製品になります。特にTHCの働きを打ち消し、精神作用のないCBD関連製品は、大注目です。
最近よく耳にするのは、CBDオイルかと思います。オイル上に加工されていて、そのまま口に入れたり、食べ物や飲み物に混ぜたり、肌に塗ったりします。
また、オイルが流行る前からCBDリキッドを好む消費者もいました。リキッドは基本的に電子タバコのようにVAPEを使って蒸気を吸引します。
さらに、クリームやシャンプーに使われたり、キャンディーやチョコレート等のお菓子に商品化されたりしています。
ヘンプシードは、その名の通り、大麻草の種です。日本でも規制の対象外の種子は、もちろん合法で、七味唐辛子に入っていることが多いので、誰もがすでに食べたことがあるかもしれません。栄養価が高いことでスーパーフードとして欧米を中心に騒がれている食品の1つです。
大麻関連製品の輸入
国内ブランドとして品質の高さや安全性が高いと謳われている商品を目にすることがあります。ただ、それらのほとんどは、北米やヨーロッパからの輸入原料を日本で加工している商品です。
日本では各都道府県から許可が下りた農家だけが大麻草を栽培することができますが、生産された大麻草は主に繊維用として利用されています。栽培免許を新たに取得することは難しく、申請時に提出している用途以外で活用することはできません。そのため、国内栽培量が減少傾向にある中、近年話題のスーパーフードや万能オイルとしての大麻草利用は、輸入品に頼るしかないのが現実です。
具体的に輸入する流れは、下記のようになります。
- 管轄の税関の食品係宛てに届け出をする
・食品等輸入届出書
※部位を明記すること、実績があれば明記すること
・大麻草の成熟した茎または種子から生成されたことの宣誓書
※生産者のサインが必須
・THC含まれていないことの分析証明書
※分析方法、検出限界値、代表者のサイン、商品番号が必須
・原材料、製造工程の写真 - 税関から許可を得る(押印された書類を受理)
- UPS(国際輸送サービス)に送る
- 通関、製品を受け取る
輸入先のメーカーが国際基準であるGMP(医薬品及び医薬部外品の適正製造及び品質管理基準)に認証されているかどうかは、大きな判断要素となります。多くのメーカーが取得しているGMPマークですが、cGMP(最新の基準)となると厳しい審査になります。
また、国内の大麻にかんする基準に沿っているかどうかは、専門の機関(カンナビノイド審査委員会)で検査を依頼することでより信頼性を高められます。
大麻関連製品のEC事業
店頭販売もされていますが、インターネットで購入する人が多いのが大麻関連製品です。グリーンラッシュという時代の流れに乗っとるのなら、EC事業で販売してみたいですね。また、ヘンプシードやCBD製品等について聞いたことはあるけどよくわからないという消費者は、まずインターネット検索を行うと思われます。検索から購入の流れにつながりやすいEC事業が適していると言えます。
EC事業は、インターネット上での商品やサービスを売買する電子商取引で、e-commercの略称がECです。Amazonや楽天市場等のオンラインショッピングモールがその例ですが、使ったことがない人の方が珍しいのではないでしょうか。
中長期的な事業計画を立て、ひしめき合う競合を分析し、事業をスタートさせましょう。店舗を持たない分費用は抑えられますが、顧客と対面でのコミュニケーションが取れないので集客やブランディング戦略に工夫が必要です。SNSを駆使すること、メールマガジン登録を促して会員を集めること、グーグルの検索エンジンから来客につなげること等、上手にビジネスを展開していくためには、必要な営業活動がたくさんあります。
CBD製品販売時の注意点:THCの検出
THCが含まれている商品は日本では違法です。しかし、国内で厚生労働省や税関が指定するような検査・認証機関はありません。そのため、輸入前や輸入時に提出された資料で大麻に該当しない(成熟された茎や種子から製造された商品である)と判断された後、輸入し検査を行った際にTHCが検出された場合、処罰の対象になりえます。また、THCが検出されて大麻と判断された場合は、大麻の輸入も輸出も禁止されている日本から、輸入先の国に該当の製品を送り返すようなこともできません。
実際にすでに国内で販売されていた商品であっても、後の成分検査でTHCが検出されたという事例もあります。それらの事例で健康被害は発表されていませんが、違法性によっては刑事罰や全商品の回収指示が下されます。
正しい手段で輸入したにもかかわらず、なぜ違法性を問われる事態になってしまうのかというと、輸入先である欧米諸国と日本のTHCに関する見解が異なるからです。アメリカをはじめとする多くの国では、THC濃度が0.3%以上の大麻草をマリファナと呼び薬用(医療用・嗜好用)に用い、THC濃度が0.3%未満の大麻草をヘンプと呼び産業用に用います。一方で日本ではCBD製品として合法と求められるにはTHCが0もしくは検査で検出されないことが条件となります。そのため、CBD製品として欧米諸国で市場に出回っているものであっても、日本では大麻として判断されるということが起こるのです。
大きな責任が求められることを十分理解しておく必要があります。
まとめ
新しいビジネスを始めたい人には持ってこいのような大麻関連事業です。輸入という手段が出てくる以上、日本と相手国の法の違いに注意して、最新の情報を基に違法性がないように準備を進めなければいけません。
また消費者の体内に摂取されるものにおいては安全性も切り離せない検討事項です。
違法性と安全性を考慮することは前提条件であり、ビジネスを成功させる手腕を発揮させることは課題であり面白味ですね。
合わせて読みたい記事はこちら↓
情報引用元(参考文献、URL、URKページ タイトル記載)
https://hemptoday-japan.net/6968/
THC完全フリー! 大麻品種の開発に成功
2020.1
Hemp today japan
https://www.bci.co.jp/netkeizai/article/6639
〈CBD製品の販売活発化〉 市場拡大も、違法成分の混入に懸念
2020.3
日本ネット経済新聞
https://www.ataracia.com/productionprocess
製造管理について
ataracia(日本臨床カンナビノイド学会)
https://note.com/oasisleaf/n/nd592d2727d8f
大麻コスメ・ヘンプコスメ・CBDコスメに注目してみましょう
2020.1
https://www.cbd-oil.jp/about_cbd_recommend
オススメしたいCBDオイル製品
HempNavi
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000194555.pdf
大麻栽培者数及び栽培面積の推移
厚生労働省
https://cbd-guidance.com/
CBDビジネスの勝者になるために
https://cbd-guidance.com/import/
CBDの輸入
CBD-GUIDANCE.COM 株式会社薬事法ドットコム
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000638551.pdf
CBDオイル等の CBD 製品の輸入を検討されている方へ
厚生労働省
https://cbdnote.jp/procedures-required-for-importing-cbd-products/
CBD 製品の輸入に必要な手続きについて
CBDnote カンナビジオールの取扱説明書
https://note.com/off_inc/n/ncff6478a724c
【2020年最新版】本当におすすめできる3つのCBD製品と8つの選定基準
https://note.com/off_inc/n/n2762e4dbdf38
【2020年度版・徹底解説】 CBD業界の今と未来予測
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カンナビノイド審査委員会
一般社団法人日本化粧品協会
https://note.com/oneinch/n/n8dc6e2ada015
CBD製品を選ぶ際に注意してほしいポイント
柴田耕佑 ワンインチ社長