【そんなにあるの?】こんなにもある世界で注目される麻産業!

はじめに

みなさんは、「麻」と言われて何を思い浮かべるでしょうか。

まず一番に浮かぶのは、夏の涼しげなファッションに用いられる繊維素材としての「麻」ではないでしょうか。そして、「大麻」となるとイメージは一転し、日本では違法のマリファナを連想する人も多いと思います。中には、近年注目されている「医療用大麻」やヘンプオイルやヘンプシード等の健康・美容製品に使われる「ヘンプ」を思い出す人もいるかもしれませんね。

これらは、全く別ジャンルのものですが、すべて同じ「大麻草」という植物から作られています。

このように、大麻草からなる麻に関する産業には、様々なものがあり、多くの可能性を秘めています。ぜひ、正しい知識を持って理解を深めていきましょう。

麻産業に関する用語

冒頭で挙げた」、「大麻」「ヘンプのように、似ているようで、その違いが分かりづらい言葉があります。

まずは、麻産業に関する用語を覚えておきましょう。

麻とは

「麻」は、植物学的には「アサ」とカタカナ表記されるアサ科の植物である大麻草のことです。また、大麻草と類似した植物(リネン:亜麻、黄麻:ジュート)や、原料として作られた繊維自体も「麻」と言います。

大麻草は、たったの3ヵ月で3メートルにも成長する一年草の植物です。成長が速く、二酸化炭素の消費量が多いため、環境にやさしい植物と言えます。あらゆる気候帯(冷帯、温帯、熱帯)に順応するため、世界中で栽培されています。実際、南極、北極、グリーンランド以外で栽培可能です。また、土壌改良の効果があるため、毎年同じ場所で、比較的簡単に栽培できます。

「ヘンプ:Hemp」は英語名ですが、産業用の「麻」を意味します。産業用ではない薬用の「麻」は、大麻(マリファナ)と呼ばれるため、区別しましょう。

ここで、注意したい点が1つ。麻薬と大麻草に使われる「麻」という漢字は、全くの別物だということです。本来、麻薬の麻は「痲」という「しびれる」の意味を持つ漢字であり、大麻草の麻とは全く関係がありません。漢字制度の導入によって、同じ「麻」が使われるようになってしまいました。そのため、麻薬と大麻草が混同され、「麻」も悪いイメージを持たれやすいのかもしれません。

大麻とは

「大麻」は法律用語で、大麻草の花穂と葉のこと精神作用(酔っぱらったようになったり、興奮したりする働き)をもたらす成分THC:テトラヒドロカンナビノールが多く含まれ、麻薬として知られています。使用目的によって、医療用と嗜好用に区別しなければいけません。

英語では、「マリファナ:Marijuana」となり、大麻草の花穂を乾燥してタバコにしたもの示します。さらに、医療用大麻を「Medical Marijuana」、嗜好用大麻を「Recreational Marijuana」と呼び分けます。

カンナビノイドとは

「カンナビノイド」は104種類ある麻に含まれる独特の薬効成分のこと。マリファナの主成分である精神作用のある「THC:テトラヒドロカンナビノール」と精神作用のない「CBD:カンナビジオール」が有名です。

産業用大麻(ヘンプ)は、THC濃度が0.3%未満、CBD濃度が1~15%の品種
医療用大麻や嗜好用大麻(マリファナ)は、THC濃度が5%以上の品種。

また、天然のものは「植物カンナビノイド」、化学的に作られたものは「合成カンナビノイド」、人体の中で生成されるものは「内因性カンナビノイド」と呼ばれます。

 麻産業とは

麻の利用分野は幅広く、多岐にわたります。
例を挙げると、衣料品、服飾品、建材、燃料、肥料、紙、食品、美容品、薬品、神事等。主な麻産業についてまとめてみました。

 麻と衣料品業界

 涼しげな印象を与える麻素材の衣料品は夏の定番ですね。通気性、吸湿性だけでなく、消臭・抗菌効果もできる優れものです

しかし、衣料品に用いられる「麻」は、厳密にいうと大麻草から作られたものではありません。1962年に制定された「家庭用品品質表示法」によって、類似植物の苧麻(ラミー)と亜麻(リネン)のみが、「麻」と表記できると定められています。大麻草から取られる繊維の衣料品には、「麻」ではなく、「ヘンプ」や「指定外繊維」と表示されます。

  麻と食品・美容品業界

古くから口にするものとして身近にあるものは、七味唐辛子です。中に入っている比較的大きな粒は、麻の実、つまり大麻草の種子です。

また、近年では、麻の実:ヘンプシードはスーパーフードとして、需要が高まっています。タンパク質、食物繊維、鉄分、ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸等、特に女性に嬉しい美容と健康に欠かせない栄養素が多く含まれているからです。

さらに、麻の実から抽出されるヘンプオイルは、食品としても美容製品としても広く使われ始めています。

麻と医薬品業界

現代の研究では、多くの疾患や症状に効果があることが明らかになり、医薬品としての研究開発が進んでいます。体内の「カンナビノイド」が不足すると、様々な支障をきたすとわかってきました。主な効用としては、痛み止め、がん治療の嘔吐抑制、緑内障、神経性難病等があります。

  麻と工業

工業によく利用されるのは、大麻草の茎から繊維を取り除いて乾燥させたオガラ(麻幹、麻がら)です。

オガラとセメントを混ぜて作られたものをヘンプクリートと言い、ヨーロッパを中心に住宅建材として活用されています。通常のコンクリートより強度は低い反面、断熱効果、吸湿効果、吸音効果、防虫効果と利点が多くあります。成長の早い一年草の植物から取れることから、環境にも配慮された建材として注目を集めています。

従来の石油化学製品としてのプラスチックから、植物由来のプラスチックへと時代が移行している中、大麻草の茎から作られたヘンププラスチックも自動車部品等に用いられています。

ドイツでは、メルセデスベンツBMWの内装材に用いています。高級車に使用されるほど、軽量性、衝突安全性、環境性、経済性に優れています。

麻と神事

歴史を紐解くと、大麻草は神聖なものとして仏教や神道にも大切に使われていました。そのため、伊勢神宮のお札を「大麻」と読んだり、お祓いやお祭りで振って使われる棒を「大麻」と書いて「おおぬさ(大幣)」と読んだりされます。日本の仏教に影響を与えたインドの僧侶も大麻草を使用していたとされています。

麻と嗜好品

日本では違法の大麻(マリファナ)ですが、世界に目を向けると、合法化されている国によっては、タバコのように、むしろタバコよりも害が少ないものとして好んで喫煙している人々が多いのが実情です。種類によって興奮するものやリラックス作用のあるものがあり、好みや場面に応じて楽しまれています。

 まとめ

 今回紹介した麻産業は、ほんの一部です。
地球上に古くから存在し、長年活用されてきた「麻」は、近年新たな可能性が見いだされ、脚光を浴びています。今後の麻産業の動向を見逃すわけにはいきませんね。

合わせて読みたい記事はこちら↓
引用元

「カンナビノイドの科学」 佐藤均
https://hokkaido-hemp.net/basic.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B5
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/taima01/dl/pamphlet.pdf
https://faavo.jp/hyogo/project/621
http://waccamedia.com/environment/90
http://cannabis.kenkyuukai.jp/information/index.asp?

アーカイブ