CBDには優れた鎮痛効果があると言われています。今回は頭痛や筋肉痛、生理痛から関節炎の痛みまで、お悩みに合わせたCBD活用法をご紹介します。
CBDに秘められたリカバリー力
最近耳にすることの増えているウェルネス成分CBD(カンナビジオール)。
ヘンプやカンナビスと呼ばれる大麻植物から抽出される数百種類に及ぶ成分のうちの一つで、様々な健康上の利点があるとされています。精神作用をもたらずTHC(テトラヒドロカンナビノール)とは違い、安心して使うことができます。
CBDをはじめとするカンナビノイドと呼ばれる生理活性成分は、体内にあるバランス調節システム「エンドカンナビノイドシステム(ECS)」と相互作用し、さまざまな部位に影響を与えることで効果を発揮します。
主な作用として知られているのは、不安やストレスの緩和、睡眠の改善、そして鎮痛効果などです。エンドカンナビノイドシステム(ECS)は体内で作られる内因性カンナビノイドと結びついて心身のバランスを保っていますが、ライフスタイルの乱れやストレスによって、体がカンナビノイド欠乏症のような状態に陥ることがあります。体外から取り入れたCBDはそれをおぎなう形でエンドカンナビノイドシステムを介してCB1やCB2と呼ばれる受容体を活性化し、様々な不調を整えるサポート役をしてくれるのです。
痛みに働くメカニズム
炎症緩和作用を持つCBDは、関節炎や筋肉痛、手術後の痛みを抑えるのに効果的であることがすでに知られています。
神経伝達物質セロトニンにより活性化される「セロトニン受容体」にも働きかけ、痛みのコントロールに影響を与えると言われています。別の研究ではCBDが痛みに伴う不快感を軽減するという興味深いレポートもあります。
米国では、強い鎮痛効果があるものの副作用も強い医薬品オピオイド の中毒者や死亡者が激増したことから、オピオイに代わる鎮痛剤として副作用のないCBDを利用する人も増えています。CBDの利用は米国では合法化されており、精神作用のあるTHCを含む大麻草の消費も州ごとに解禁が進んでいます。
日本でもCBDは成分分析と製造工程がはっきりしており成熟した茎や種子のみを原料としたCBDの販売や使用は合法となっており、関心も高まっています。
痛みは体が異常を感じているサインですから、まずその原因を知り取り除くことが大切です。病気、ウイルスなどさまざまな原因で発生します。 痛みを感じた場合は、単に痛み止めで対処するだけでなく、まず医師に相談してその原因を特定し、適切な治療方法についても相談することが大切です。その上で痛みの対処方法として、副作用が少ない治療方法を用意しておくと精神的に安心できます。
どんな痛みに効くの?
2020年に米国で公表されたレビュー論文(既存研究や文献を総括的にまとめ分析した論文)によれば、CBDは特定のケースで慢性疼痛の軽減、睡眠の改善、および炎症の抑制に効果があることが示されています。FDA(アメリカ食品医薬品局)はCBDを鎮痛薬としての承認はしていませんが、スポーツ選手から関節痛を抱える高齢者まで、多くの人々がCBDの利点を体験し、広く利用しています。
また、一口に痛みといっても様々な種類があります。CBDが効果的であるとされる痛みには以下のようなものが挙げられます。
手術後の痛み: 手術後の炎症を抑え、回復を促進するとされています。
生理痛: 子宮が収縮して古くなった内膜を排出するための動きにより、腹部の痛みや圧迫感が緩和されます。
関節痛: 炎症、外傷、過度の運動、ウイルスや細菌によって引き起こされる関節部分の不快な感覚や痛みを、優れた炎症緩和効果で緩和します。
難病に伴う痛み: 線維筋痛症、多発性硬化症(MS)、パーキンソン病に伴う痛みやけいれんなど、睡眠障害などの不快な症状を改善します。
がん関連の痛み: がんに伴う疼痛やがん化学治療の副作用を軽減します。
いずれの痛みを治療する場合も、他の薬との相互作用を考慮し、医師と相談して使用を検討することをお勧めされます。
どうやって取り入れる?
CBDの摂取方法には様々な選択肢があり、効果が現れる時間や持続時間などに違いが見られます。しかし、CBDが体内でどのように作用するかについてはさほど違いはありません。オイル、カプセル、クリーム、経皮パッチといった選択肢には、それぞれの特徴やメリットがあり、個々のニーズや好みに合わせて選ぶことができます。
●CBDオイルは、おそらく最も一般的で利用されている形態の一つでしょう。これはベースとなるキャリアオイル(通常はMCTオイルやヘンプシードオイル)にCBDを溶かしたもので、付属のスポイトやスプレーを使用して舌の下に数滴分を垂らして摂取します。舌の下から直接粘膜を通じて吸収されるため、比較的早く効果が現れます。
またカプセルはオイルよりも使いやすく摂取量が把握しやすく、持ち運びがしやすいというメリットがあります。
●クリームや経皮パッチは、CBDを直接皮膚に塗布することで、局所的な痛みや不快感を和らげるのに役立ちます。このため関節痛や筋肉痛に直接的に働きかけたい場合に選ぶ人が多いようです。また時間をかけてCBDが吸収されるためマイルドで持続的な効果を得ることができ、飲み忘れしにくいメリットもあります。
●CBDを含んだ飲み物やお菓子などの「エディブル・タイプ」も注目を集めています。これらの製品は、CBDの摂取をより手軽にしてくれるため注目を集めています。だだし、食べられるという手軽さやお菓子感覚もあり、つい食べ過ぎてしまうことも。摂取量を守り、安全に利用しましょう。
CBDの効果は個人の体質、健康状態、およびライフスタイルによって異なるため、最大の効果を得るには、専門家に相談したり、信頼性のあるメーカーから購入することも重要です。
まとめ
本稿では、CBDの痛み止めとしての可能性についてご紹介しました。
CBDは多岐にわたる健康効果があり、副作用が少ないことから、痛みに対して幅広いアプローチを提供します。痛みの緩和だけでなく、ストレスや緊張も和らげる効果があり、不快な状態への対処を助けてくれます。賢く活用して健康的な生活を送るためのサポートにしましょう。
参考資料