アトピーの症状をはじめ様々な皮膚トラブルの解消のため、ウェルネス成分CBDに注目が集まっています。今回はCBDの持つ健康肌サポートのための優れた効果についてご紹介します。
健康メリットで注目されるCBD
ヘンプ(学名:カンナビス・サティバ)から抽出される生理活性成分CBD(カンナビジオール)がアトピー性皮膚炎や乾癬(かんせん)の新しい治療法として注目を浴びています。ヘンプには100以上の生理活性成分カンナビノイドが含まれていますが、その中でもCBDは炎症沈静効果に優れているといわれているのです。
CBDはこれまでも筋肉痛や関節炎などの炎症に伴う痛みの緩和、不安や不眠状態の改善、てんかんや癌の治療などにも利用されてきました。そしてヘンプの薬理効果はいま、皮膚病治療の分野でも研究が進んでいます。また医薬品だけでなくシャンプーやクリーム、ドリンク、ペット用のサプリメントなど一般的な商品にも配合されるようになり、非常に使いやすくなっています。ヘンプ=大麻由来ということから不安を感じるユーザーもまだ多いのですが、ヘンプから有効成分のCBDだけを抽出・配合したサプリメントやクリームは、大麻草で問題視されることの多い精神を高揚させる成分THCを含まないので安心して使用することができます。
次では、CBDが肌にどのように作用するかについてご紹介します。
※CBDは日本で合法となっており医薬品や化粧品、健康食品、食品などの形で販売・利用できます。ただし大麻草の茎や種子から抽出されたCBDのみが許可されています。
炎症を優しくケア。抗菌・抗酸化作用も
様々な作用を持つCBDですが、皮膚トラブルに関しては
炎症を鎮める作用
抗菌作用
皮脂分泌の調整作用
抗酸化作用
が注目されています。抗酸化作用については、ビタミンCやビタミンEよりも優れているという説もあります。
これらの特性は、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎、湿疹、乾癬といった症状の緩和や、つらいかゆみのケアに効果的です。さらにニキビに対してもその効果を発揮するといわれています。
CBDは体内に取り込まれると、生体のバランスを調整する「エンド・カンナビノイド・システム(ECS)」を介して様々な部位に作用します。 ECSにはカンナビノイド受容体(CB1、CB2)があり、これがCBDと結びつき体組織に働きかけます。これらの受容体は脳神経、内臓、免疫系など、様々な組織や器官、細胞に広く分布しているため、CBDは人体のさまざまな場所に影響を与えることができ、肌の不調を調整し健康な状態に戻す手助けをしてくれるのです。
アトピー患者の肌を再生するサポート
アトピー性皮膚炎は、現在日本で人口の約10%が何らかの症状を抱え、その8割は44歳以下とされています。皮膚を外的刺激から守るバリア機能が低下し、免疫異常が起こることで発症する病気ですが、かゆみが生じ、掻くことで皮膚のバリア機能が弱まり、細菌やハウスダストに敏感になりやすく症状が悪化します。食生活や寝不足、ストレスなどがなど様々な要因が複合的に絡み合っているといわれ、慢性化しやすいのが特徴です。
決定的な治療法はいまだに見つかっていませんが、ストレス要因や栄養管理などライフスタイルを整えたり、肌に触れる服を自然素材に変え、刺激の少ない石鹸やクリームなどで皮膚のバリアを保護するのが一般的な対処法です。また症状が重い場合はステロイド外用薬(副腎皮質ホルモン)を使って症状を抑えます。ステロイド外用薬は炎症とかゆみの抑制に役立ちますが、長期間に渡って使い続けることで皮膚の萎縮や毛細血管拡張などの副作用が現れることがあるため、使い過ぎには注意が必要です。
CBDの炎症効果は腫れや痛み、痒みを抑え、その抗菌作用によって肌への刺激や症状の悪化を防ぐ作用があります。個人の体調や症状の差にもよりますが、副作用の少ないア炎症緩和ケアとして、CBD配合クリームの利用を検討する人も増えています。
乾癬の悩みに
乾癬(かんせん)は免疫異常が原因で起こる皮膚疾患で、全身に赤い斑点が現れ、その上には銀白色の鱗屑(うろこ状のくず)が現れるのが特徴です。アトピー性皮膚炎と同じように再発しやすく慢性化も起こしやすいという性質があり、治療には塗り薬、光線療法、内服薬、注射などが使われます。免疫反応を抑制し炎症を抑えるために、アトピーと同じくステロイド外用薬が処方されることがあります。
CBDには肌を保護し炎症を抑えるだけでなく、ケラチン生成細胞(角化細胞)と呼ばれる組織の増殖を阻害する作用があるという説もあり、皮膚疾患の治療に役立てる研究がおこなわれています。またCBDは皮膚炎に伴うストレスや不眠を和らげることで、患者の不安やうつ症状も緩和することも明らかになっています。
副作用はあるの?どんな摂取がベスト?
CBDが大麻由来の成分であるため、何か精神によくない作用があるのではないかと心配する人も多いようです。しかしCBDはカンナビノイドの中でも精神活性作用を持たず、安心して使用することができます。また大麻の茎や種子から抽出したCBDは日本でも合法となっており、様々なタイプを入手することができます。明らかな副作用は認められておらず、WHO(世界保健機構)でもCBDの医療的有効性を認めています。
世界ドーピング機構の規制対象成分から外されたことで、怪我や肉体疲労の多いプロスポーツ選手の愛用者も増えたほか、美肌のためにコスメに配合されることもあります。
皮膚病の治療には内服・外用のアプローチがあり、併用することができます。皮膚の病気には、直接クリームを使うと効き目が感じやすいと考えられていますが、薬を飲む方法でも同じように効果が期待できます。特に皮膚病の治療では十分な保湿が大切です。CBDが配合された保湿クリームを使うと、肌のバリア機能を上げる効果があると言われています。
栄養たっぷりのヘンプシード にも注目
CBDを使った皮膚治療研究はまだ日が浅いのですが、大麻の種子=ヘンプシードから取れるヘンプ は古くから食用や燃料に、そしてその保湿性が高さからスキンケアに使われてきました。
日本でも知られるコスメチェーン「ザ・ボディショップ」では、90年代からヘンプオイルを使ったコスメを販売し、20年以上のロングセラー商品となっています。
ヘンプシードは、大麻=ヘンプの種子のことで栄養価が非常に豊富です。
<ヘンプシードの主な栄養素>
たんぱく質:必須アミノ酸を含む高品質のたんぱく質を含んでいます。
必須脂肪酸: 必須脂肪酸であるオメガ-3脂肪酸とオメガ-6脂肪酸がバランスよく含まれています。これらの脂肪酸は心血管の健康をサポートし、炎症を制御する役割があります。
ビタミン: ヘンプシードにはビタミンEやビタミンB群(特に葉酸、ナイアシン、ビタミンB6)が含まれています。これらのビタミンは細胞の機能やエネルギー生産に関与します。
ミネラル: ヘンプシードは、マグネシウム、リン、マンガン、亜鉛などのミネラルも含んでいます。これらのミネラルは骨や歯の形成、神経伝達、代謝などに関与しています。
抗酸化物質: ヘンプシードには抗酸化物質も含まれており、体内の細胞を酸化ストレスから保護してくれます。
ヘンプシードを食事に取り入れることで、健やかな肌作りをはじめに健康にポジティブな影響を与えることができます。ナッツのような味わいで強いクセもなく食物アレルギーを起こす心配も少ないため、日々の食事に気楽に取り入れることができます。
健康な肌を手に入れよう
本稿ではCBDを皮膚病の治療に利用する方法についてご紹介しました。自分に合った方法を取り入れて、日々のケアに取り入れて、健康肌を取り戻すためのサポートにしてはいかがでしょうか。