健康成分がたっぷり入った生はちみつは古代エジプト時代から重宝されてきた薬用食品の1つ。そしてはちみに同じく健康・美容効果のある大麻成分CBDをブレンドした製品がじわじわと人気を集めています。
神々と美女の愛用品だったはちみつ
自然の恵みが凝縮されたはちみつ。芳醇な甘みと栄養価の高さ、そして素晴らしい薬効から、古代インドやギリシャ文明では神聖視され、神々の食べ物とみなされたり不死を約束してくれる食べ物として珍重されてきました。
紀元前1500年頃に書かれたエジプトの医学書には、はちみつを含む薬の用法について100種類を超える処方が書かれているといいます。また世界三大美女の一人クレオパトラも、はちみつを愛用していたと伝えられています。
はちみつはミツバチが生息する場所や周囲の植物、季節によって、独自の味わいを持つ自然の宝石です。また加熱せずに採取された生はちみつには、多くの栄養素が含まれ、健康や美容に嬉しい効果があると言われています。
神事にも使われた大麻
貴重で神聖だったはちみつとお同じように、大麻草も古代から重要な役割を果たしてきました。日本の神道でも神社のしめ縄や鈴緒に御幣などに大麻繊維が用いられ、薬草としても重宝されました。
神道以外でもインドなどで信仰されているヒンズー教では、シヴァ神の好物として扱われ、ネイティブ・アメリカンの文化でも神々との交流を図るために大麻が用いられました。
また中国最古の薬物学書「神農本草経」にも、大麻が薬草として使われていたことが記されています。また漢方薬の世界で大麻草の実は「麻子仁(ましにん)」と呼ばれ、古くから整腸のために用いられ ています。
あまり知られていない、はちみつのメリットとは
地元産のはちみつ、いわゆるローカルハニーを食べ続けると花粉症が軽減したという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。これはミツバチが花から蜜を集める際に少量の花粉が混ざり込み、 このハチミツを食べることで特定の花粉アレルゲンに対する感受性が低下することで花粉症の症状が軽くなると考えられています。
はちみつの成分は花蜜に直接含まれる成分だけなく、ミツバチが採取した蜜がミツバチの体内酵素や唾液とまざる事で完成します。
おいしいだけではない、天然の生はちみつの健康効果には以下のようなものが挙げられます。
<抗菌作用・免疫力の向上>
生はちみつは天然の抗菌作用を持ち、口内炎や喉の痛み、風邪などの症状の緩和に効果があるとされています。これは、はちみつに含まれる酵素や酸が、病原菌の増殖を防いでくれるためです。中でもニュージーランドに自生する植物「マヌカ」の木に咲く花の蜜から作られたマヌカハニーには強力な抗炎症作用があり、ウィルスや病原菌を抑制する作用があると言われています。
<美肌効果>
ナチュラルな保湿効果があるはちみつには美容メリットがたくさんあります。とくに生はちみつに含まれる天然の糖分やビタミン・ミネラルが、肌の保湿力を高め、肌荒れや乾燥を防いでくれます。また、肌のターンオーバーを促進する作用があり、傷口の治癒を早めたりといった美肌効果が期待できます。
<整腸作用>
生はちみつには、腸内環境を整える効果があるオリゴ糖が含まれています。また精製された砂糖には存在しない多くのビタミンとミネラルが含まれ、有用菌のエサとなるプレバイオティクスとしても働きます。また胃や消化管で善玉菌の増殖を促進する生きた微生物も含まれています。
<抗酸化作用>
生はちみつには外部ストレスからくる細胞やDNA、タンパク質、脂質などの分子をダメージから守ってくれる抗酸化作用を持ち、老化や病気予防にも役立つと言われています。
しかし現在私たちが日常的に食べているはちみつの多くは殺菌のため加熱処理がされており、熱に弱い栄養素や酵素など多くの成分が失われています。このためスーパーなど大量生産品が並ぶ店で生はちみつを見かけることはまれになっています。
天然の恵みCBDと一緒に楽しむ
はちみつはおいしい上に健康メリットもたくさんですが、近年の健康ブームに伴い人気が高まっている健康成分CBDをブレンドした製品が生まれています。これはCBDとはちみつをダブルでとることで、健康効果を最大にすることができるアイデアと言えるでしょう。
CBDとはカンナビジオールの略で、大麻に含まれるカンナビノイドと呼ばれる生理活性物質の1つです。大麻草の茎や種子、花穂などから抽出され、精神作用や中毒作用がなく医療や美容分野など広い範囲で安心して使うことができ、日本を含め多くの国で合法化されています。※
CBDは60年代から研究が進んでおり
①リラックス作用・不安などの軽減作用
②安眠作用
③鎮痛作用
④炎症緩和作用
作用が見つかっています。健康サプリやコスメ、医療目的に広く使われています。
CBDはオイルにブレンドされた商品がポピュラーですが、はちみつにブレンドする事でCBDオイルの味が消え、毎日の食事に取り入れて楽しめるのも嬉しい点です。また大麻独特の香りと薬効をもたらすテルペンという成分もはちみつの風味にいっそうの深みを与えてくれます。
※日本では安全性を重視し、大麻草の葉、花、枝などの部位からCBDを抽出したり、売買や使用することは禁止されており、成熟した茎と種からのみ抽出されたCBDが許可されています。
CBD入りはちみつの嬉しい美容効果
そのまま食べてもおいしいCBD入りはちみつですが、はちみつの保湿効果とCBDの炎症緩和効果両方生かした美肌パックもおすすめです。
前述の美女クレオパトラははちみつを美容薬にしていたといいますが、洗顔後の濡れたままの状態でCBD入りはちみつを少量塗肌に伸ばすと簡単に美肌ケアができます。そのままにして、化粧水など基礎化粧をしても良いですし、ベタつきがきになるようならぬるま湯で洗い流します。
これはスキンケア業界で現在注目されているマイクロバイオーム(皮膚の表面に存在する常在菌)も喜ぶ一石二鳥のケア。CBDの持つ炎症緩和効果で肌も落ち着き、老化に伴うシミやシワといったトラブルに効果的です。
はちみつに含まれる栄養素や酵素は熱に弱いため、健康や美容効果の恩恵をフルに生かすのでれば昔ながらの生はちみつや、低温処理の製品を選ぶとよいでしょう。
美味しそう!はちみつファームのCBDハニー
CBD入り生はちみつにはどのような種類があるのでしょうか。以下で海外の例をいくつかご紹介していきましょう。
<ホートンハニー>
緑と黄色のパッケージ・デザインが可愛らしい、英国チェシャーの田園地方にある養蜂ファームがリリースしたCBD入り生はちみつです。天然の抗菌作用があり、しっかりとふたをして直射日光を避ければ、キッチンの食器棚で長期間保管できます。
はちみつ、CBDともに英国にこだわっているのが特徴で、ウェブサイトでは以下のような症状をサポートすると記載されています。
睡眠障害
関節痛・筋肉痛
不安とうつ病
関節炎、線維筋痛症、骨粗鬆症
PTSD
片頭痛
心的外傷後ストレス障害
更年期症状
パーキンソン病の影響
過敏性腸症候群
<コロラドヘンプハニー>
大麻ブームの火付け役となった米コロラド州で生産されている生はちみつです。CBDに加えてストレス耐性を上げるというターキーテールやチャーガ、レイシなどの薬用マッシュルームエキスも加えているのが大きな特徴。小さじ1杯あたり5mgのフルスペクトルCBDを含み 、ヘンプの恩恵を美味しく楽しむことができます。オーガニックのジンジャーとレモンのエッセンシャルオイルをブレンドし、さわやかな風味が加わっています。
抗酸化作用に優れ、健康はもちろんストレス対策、そして美肌や美容にも役立ってくれます。
生はちみつの食べ方のコツ
CBD入り生はちみつはヨーグルトに混ぜたり、トーストに塗って食べるのがベストです。有効成分や酵素を破壊しないためにも、ホットドリンクに混ぜたり長時間熱にさらすのを避けると、成分を無駄なく吸収できます。
また風邪などで喉の痛みがある時は、生はちみつをスプーンですくってそのまま食べると回復が早くなるといわれています。また口内炎などにも綿棒にはちみつを適量取り、患部に直接塗って見るのも民間療法として知られています。
ただし生はちみつは幼い子どもに与えるとまれにですが中毒症状を引き起こすことがあるので注意が必要です。またCBDは大人の使用を前提に作られていますので子どもが誤って食べることがないよう保管には気を使いましょう。使用の際には必ず清潔なスプーンなどで取り出し、蓋をしっかり閉めて保存することで長持ちします。
まとめ
本稿ではCBD入りの生はちみつが持つ健康や美容上の効果、摂取方法、注意点についてご紹介しました。若々しい肌と健康は日頃のケアが欠かせません。おいしく楽しむことで健康習慣を長続きさせることができるでしょう。
<参考資料>
ホートンハニー
コロラドヘンプハニー
https://coloradohemphoney.com/