【麻の医薬品⁈】海外で承認されたカンナビノイド医薬品

はじめに

CBDに興味をもっている人、すでにCBDオイルなどをご使用になっている人にとって、カンナビノイド医薬品の存在は、気になるキーワードではないでしょうか。

日本の場合、CBDも大麻の成分ですが規制の対象ではありませんが大麻の陶酔成分と同じ働きを持つTHCを含んだカンナビノイド医薬品は、大麻取締法により規制され医療用としては承認されません。

ところが同じような規制を受けている医療用麻薬(モルヒネ等)は、麻薬及び向精神薬取締法で規制を受けながら、日本では承認されています。

このような矛盾からカンナビノイド医薬品は、医療現場から承認の要望書が国に提出されています。

なぜ医薬品として大麻が規制され麻薬は良いのか疑問が湧きます。

そこでカンナビノイド医薬品とは何なのか

ここではシリーズ1〜6にわけて現時点でわかっているエビデンスから、この疑問の内容を紹介します。

まずシリーズ第Ⅰ段は「海外では承認されている3つのカンナビノイド医薬品の成分と適応」について紹介します。

カンナビノイド医薬品の作用とは

大麻草から抽出されたTHCを含むカンナビノイド医薬品は、体のなかで製造されるアナンダミド(AEA)2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)と同じような働きをします。

作用は、エンド・カンナビノイド・システム(ECS)を介すことにより、図1で示した通りの神経伝達物質と炎症性サイトカインを放出させます。

具体的にはCB₁とCB₂という2つの受容体があり、ここにAEA(アナンダミド)と2-AG(2-アラキドノイルグリセロール)が結合することで作用が起こります。

CB₁受容体は脳や脊椎に存在し、CB₂受容体は末梢に存在します。

つまりエンド・カンナビノイド・システムは、体のなかで自然に神経伝達物質と炎症性サイトカインを放出させています。

カンナビノイド医薬品でTHCを服用することは、通常のエンド・カンナビノイド・システムの働きを、さらに活発化させることになります。

だからカンナビノイド医薬品や大麻を服用すると、多幸感、鎮静、抗不安、鎮静、吐き気止めの作用が生じます。

それに乱用と依存性の作用も持っているのです。

海外で承認されている3つのカンナビノイド医薬品

現在、世界で使われる有名なカンナビノイド医薬品は3つになります。主な適応は抗がん剤による吐き気と嘔吐です。

【ドロナビノール】

ドロナビノールの製品名はマリノールです。

米国では承認され、適応は「抗がん剤の投与による吐き気と嘔吐」「後天性免疫不全(AIDA)による体重減少に伴う食欲不振」です。

ドロナビノールは大麻から抽出された成分ではなく、化学合成によって開発された成分(合成カンナビノイド)になっています。(図2)

しかし日本ではTHCを含んでいることから承認されていません。

またドロナビノールは、図3で示した通り米国規制物質法では、スケジュールⅢに属し、乱用と依存が発生する恐れが分類に属しています。

ナビロン(Nabilone)】

ナビロンの製品名はセサミットです。

米国では承認され、適応は「抗がん剤の投与による吐き気と嘔吐」です。

ナビロンはドロナビノールと同じように化学合成で開発された成分です。(図2)

米国規制物質法ではスケジュールⅣに属します。(図3)

スケジュールⅣであるナビロンは、ドロナビノールより乱用と依存の怖れが少ないと言われています。

これも当然、日本ではTHCを含んでいることから承認されていません。

因みに最近の研究によるとナビロンは、神経の疼痛に対して医療用麻薬の弱オピオイドより効果が弱いという論文が発表されています。

ナビキシモルス(Nabiximols)】

ナビキシモルスの製品名はサティバックスです。

カンナビノイド医薬品の3つのうち、唯一米国の承認を受けていないのがナビキシモルスです。

ナビキシモルスは、いままでのドロナビノールとナビロンとは違い、天然の大麻から抽出された植物性のTHCを含んでいます。

適応は、カナダとヨーロッパの一部で承認されている「多発性硬化症の痛みの改善」「疼痛」です。(図2)

2015年まで米国でもナビキシモルスの臨床試験が「疼痛」で行われていましたが、効果が認められず中止になっています。

当然、日本では承認されていません。

【ドロナビノール】

ドロナビノールの製品名はマリノールです。

米国では承認され、適応は「抗がん剤の投与による吐き気と嘔吐」「後天性免疫不全(AIDA)による体重減少に伴う食欲不振」です。

ドロナビノールは大麻から抽出された成分ではなく、化学合成によって開発された成分(合成カンナビノイド)になっています。(図2)

しかし日本ではTHCを含んでいることから承認されていません。

またドロナビノールは、図3で示した通り米国規制物質法では、スケジュールⅢに属し、乱用と依存が発生する恐れが分類に属しています。

ナビロン(Nabilone)】

ナビロンの製品名はセサミットです。

米国では承認され、適応は「抗がん剤の投与による吐き気と嘔吐」です。

ナビロンはドロナビノールと同じように化学合成で開発された成分です。(図2)

米国規制物質法ではスケジュールⅣに属します。(図3)

スケジュールⅣであるナビロンは、ドロナビノールより乱用と依存の怖れが少ないと言われています。

これも当然、日本ではTHCを含んでいることから承認されていません。

因みに最近の研究によるとナビロンは、神経の疼痛に対して医療用麻薬の弱オピオイドより効果が弱いという論文が発表されています。

ナビキシモルス(Nabiximols)】

ナビキシモルスの製品名はサティバックスです。

カンナビノイド医薬品の3つのうち、唯一米国の承認を受けていないのがナビキシモルスです。

ナビキシモルスは、いままでのドロナビノールとナビロンとは違い、天然の大麻から抽出された植物性のTHCを含んでいます。

適応は、カナダとヨーロッパの一部で承認されている「多発性硬化症の痛みの改善」「疼痛」です。(図2)

2015年まで米国でもナビキシモルスの臨床試験が「疼痛」で行われていましたが、効果が認められず中止になっています。

当然、日本では承認されていません。

カンナビノイド医薬品の開発

医薬用大麻としてカンナビノイド医薬品は、医薬用麻薬のオピオイドなどと同じ「疼痛」改善が期待され、開発されてきた時期がありました。

実際には、先ほど紹介した3剤以外の医薬品です。

具体的はCB₁受容体に結合するAEAを分解する酵素FEEAの生成を抑制することでエンド・カンナビノイド・システムを活発化させる医薬品です。

これには3剤の候補があり臨床試験が行われたが、脳への影響が発見され中止になっています。

また承認されているカンナビノイド医薬品以外に、新たなCB₁に作用する医薬品も開発されたが、動物実験に問題が発生し中止になっています。

そのほかにCB₂受容体へ選択的に結合する医薬品も開発されましたが、効果が弱く臨床試験途中で中止に

なっています。

このように医療用大麻のカンナビノイド医薬品(植物性カンナビノイド)ではない開発品(合成カンナビノイド)が研究されたが中止になりましたが、いまでも医薬品開発メーカーが研究を続けていると言われています。

米国でCBDが承認!

2018年6月、エンド・カンナビノイド・システムを介した新しいタイプの医薬品が米国で承認されました。

この医薬品がエビティオレックスと言われるもので、適応は「トラべ症候群やレンノックス・ガイド症候群などの難治性てんかん」と難病と言われる疾患です

つまりTHCとは別の方法でエンド・カンナビノイド・システムを活用した医薬品が登場したのです。

米国規制物質法ではスケジュールⅤに属します。

このため大麻草から抽出される成分として、健康や嗜好の目的に一般に販売されるようになったのです。

シリーズ2の予告(まとめ)

ここでは医療用麻薬で有名な3つの医薬品を紹介しました。

3つの医薬品とは、トロナビノール、ナビロン、ナビシクモルスです。特徴は大麻に含まれるTHCと同じ作用を持ち、医療現場で「抗がん剤による吐き気と嘔吐」「がんによる疼痛」などに使用されていることです。

この作用は体のなかにあるエンド・カンナビノイド・システムの受容体であるCB₁とCB₂を介したもので、副作用として乱用性と依存性があります。

そのため米国や日本をはじめ、各国で法律の規制を受けています。

ところが大麻に含まれるTHCではないCBDという成分が医療用大麻として注目され、「トラべ症候群やレンノックス・ガイド症候群などの難治性てんかん」という適応で承認されました

そしてCBDの安全性から米国規制物質法では、スケジュールⅤと位置づけられ、一般向けのCBDも販売されるようになりました。

ところが天然の植物由来のため、純度の高いCBDでないと、THCが含まれている可能性と言われています。

もしCBDオイルなどが手元にある場合、その純度を確かめてみれば不安を解消できるかも知れません。

それではシリーズ2では、もっと詳しくCBDを知るためにテーマは「なぜ難治性てんかんにCBD医薬品なのか!その理由を正しく」です。

CBDをお使いに人やCBDに興味がある人に必見の情報になります。

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引用元

カンナビノイド系を標的にとして医薬品開発状況 https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/52/9/52_850/_pdf

世界各国の医療用大麻の正確と実施 IDPC(国際薬淵政策コンソーシアムhttp://cannabis.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20180528163600E58B5FB67156756A1AEF6628181C36D0B731B1B620BCB72E8B1FBC1AA4E60F1F.pdf

日本の研究「がんと大麻(カンナビノイド)国立がんセンターの研究」NPO法人医療大麻を考えるhttp://iryotaima.net/?page_id=13

N Engl J Med 2018;379:1216-23. https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa1807652

BMJ. 2008 Jan 26; 336(7637): 199-201. Epub  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2213874/

カンナビノイドシステム 一般社団法人日本神経精神薬理学会 http://www.asas.or.jp/jsnp/journal/04_09.html

法制度 海外と日本の比較 日本臨床カンナビノイド学会(JCAC) http://cannabis.kenkyuukai.jp/special/index.asp?id=19144

基礎情報 カンナビノイド 日本臨床カンナビノイド学会(JCAC) http://cannabis.kenkyuukai.jp/special/?id=19134

カンナビジオールの治療効果とその作用機序 関西福祉科学大学 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jalliedhealthsci/9/2/9_112/_pdf/-char/ja

CBD製品の輸入手続きについて 日本臨床カンナビノイド学会(JCAC)http://cannabis.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=103000

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