【未来の可能性】カンナビノイドの多様性と存在価値

カンナビノイドとは薬用植物であるアサ科1年草に含まれる生理活性物質のことでよく知られている成分として精神作用のないカンナビジオール(CBD)とマリファナの主成分でもあるテトラヒドロカンナビノール(THC)などがあります。

これらの主成分の他にも様々な有用成分がカンナビノイドには含まれており、カンナビノイドの分類によって、ハーブや食品、医薬品など色々な用途で使われています。
またカンナビノイドは医療大麻としても注目されており海外の国々では合法的に使用できるところも増えているのが現状です。
今回は色々な側面を持つカンナビノイドの多様性と存在価値についてまとめました。

カンナビノイドの多様性とは

カンナビノイドと一言でいっても様々な分類があり、それぞれ使われる目的や方法も異なります。カンナビノイドは大きく分けると以下の3つがあります。

・植物性カンナビノイド
・合成カンナビノイド
・内因性カンナビノイド

それぞれのカンナビノイドの特徴と使われ方について見ていきます。

植物性カンナビノイドは主にハーブや食品、医薬品として用いられる

植物性カンナビノイド(Phytocannabinoid)は植物から摂取できる生理活性物質であり、主な成分にCBD(カンナビジオール)やTHC(テトラヒドロカンナビジオール)などがあります。後述する合成カンナビノイドや内因性カンナビノイドと区別して「植物性」が付けられています。

カンナビノイドの中でも最も多く含まれているのがTHCであり、いわゆるマリファナに多く含まれ気分の高揚などをもたらします。一方でCBDは色々な細胞機能のバランスを保つ働きがあり、不安を和らげる・炎症を抑えたりする作用があります。

日本ではTHCが含まれないCBDオイルなどがハーブや食品、医薬品として利用されています。

合成カンナビノイドは医薬品・試薬として用いられる

合成カンナビノイド(Synthetic cannabinoid)は化学的に合成されたカンナビノイドであり、主に医薬品や危険ドラッグとして研究対象の試薬として使われます。

医薬品としては合成THCである「マリノール」ががんの化学療法患者やHIV患者に見られる体重減少に関する食欲低下による悪心・嘔吐に対して使われています。また合成THC誘導体である「セサメット」は化学療法に付随する悪心や嘔吐の症状を和らげたり、神経因性疼痛の痛みを和らげる薬などとして使われています。

一方で医薬品以外では日本ではいわゆる「危険ドラッグ」として規制対象となっており、植物性と比べて習慣性や依存性が高いことから研究の対象として扱われてもいます。

内因性カンナビノイドは体内で作られ体の恒常性を維持する

内因性カンナビノイド(Endocannabinoids)は人間の体の中で生成・活性・分解されるカンナビノイド様物質であり、現在知られている内因性カンナビノイドとして主に以下の2種類が挙げられます。

・アナンダミド(N-アラキドノイルエタノールアミン/AEA)
・2-AG(2-アラキドノイルグリセロール) 

これらの内因性カンナビノイドは体内のカンナビノイド受容体と結合することで全身の細胞に具体的な指令を与えることで身体調節機能を保ち、食欲や痛み、免疫機能などをコントロールする役割があります。

このように生理活性物質であるカンナビノイドは大麻草の成分だけでなく、体内でもカンナビノイド様物質として存在しており、それぞれの特徴や目的に合わせて異なった用途、体への作用が期待されています。そこにカンナビノイドの多様性があるといえるでしょう。

日本臨床カンナビノイド学会 基礎情報 用語集
http://cannabis.kenkyuukai.jp/special/index.asp?id=19146

日本臨床カンナビノイド学会 基礎情報 エンド・カンナビノイド・システム(ECS)
http://cannabis.kenkyuukai.jp/special/?id=19132

日本臨床カンナビノイド学会 基礎情報 医薬品とハーブ
http://cannabis.kenkyuukai.jp/special/index.asp?id=19142

カンナビノイド審査委員会

MSDマニュアルプロフェッショナル版 合成カンナビノイド

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/24-その他のトピック/レクリエーショナルドラッグおよび中毒性薬物/合成カンナビノイド

カンナビノイドの存在価値

カンナビノイドは様々な種類があり、ゆえに使われ方も多種多様です。なぜカンナビノイドは広く世界で注目されるようになったのか、その背景にはカンナビノイドが持つ高い存在価値にあります。ここではカンナビノイドの存在価値について2点挙げていきます。

THCを含まないCBDは健康や美容に関するメリットがある

カンナビノイドのひとつであるCBDにはTHCのような習慣性や依存性がなく、世界でも医薬品だけでなく食品や日用品などいった健康や美容面でも多くのメリットが期待され使われています。

CBDが持つ様々な細胞機能のバランスを保つ働きは免疫過剰反応である自己免疫疾患やアレルギー性疾患、さらに感染症などがもたらす免疫低下が導く状態に対しても症状を和らげる作用が期待されています。

その他の健康や美容面での作用として、アレルギーやアトピー、ニキビなどの皮膚炎症を抑えるなどのメリットも期待されています。

<h3>THCが多く含まれる医療用大麻は医学的なメリットが大きい</h3>

カンナビノイドの他の存在価値として、医療用大麻として使うことで得られる医学的メリットが大きい面が挙げられます。医療大麻(医療マリファナ)とはTHCやその他のカンナビノイド、合成カンナビノイドを使った生薬療法です。

医療用大麻は体内にあるエンド・カンナビノイド・システムに働きかけて作用し、植物が本来持つ多くの成分による相互作用をもたらして痛みなどの体の症状を和らげます。同時に副作用も少ないのが特徴です。

特に現代医学において治療や対処が難しいとされてきた以下の疾患などの症状を和らげ生活の質を高めることが期待されています。

・アルツハイマー型認知症
・パーキンソン病
・糖尿病
・高血圧
・慢性関節リウマチ
・がん

ただし医療用大麻は世界的に見ても法規制で使用できない国々も多く、医師の許可に基づいて使用する必要がある国やそもそも医療大麻が使えない国もあるのが現状です。

しかし今後の超高齢社会で上述に挙げた疾患が増えていくと、疾患がもたらす症状への対処が期待できる医療用大麻はますます存在価値を高めていくに違いありません。

まとめ:カンナビノイドの多様性と存在価値を知ることから始める

日本ではカンナビノイドの利用には規制されている部分もあり、現行法では茎や種子由来のCBDであれば利用することは可能です。しかしカンナビノイドが多く含まれる花穂や葉の利用は禁じられているという社会背景があります。

世界ではカンナビノイドの多様性や特に医療面での存在価値の高さに注目し法規制の検討が進んでいます。私たち日本人も今後必ず訪れる超高齢社会に対処するためにもカンナビノイド利用の世界情勢に注目しながら、カンナビノイドの未来について考えていく必要がある段階にあるといえるでしょう。

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