【まさかの関係!?】麻と伊勢神宮の関係性

 伊勢神宮は「お伊勢さん」の愛称で多くの人に親しまれています。2000年の歴史があり、内宮・外宮をはじめ125もの宮社からなり、「日本人の心のふるさと」といわれています。そんな伊勢神宮と麻は、深い関りがあるのです。 そこで今回は、伊勢神宮と麻の関係性や、なぜ麻が重宝されているかについて紹介していきます。

古来よりケガレを祓うものとして重宝される

 伊勢神宮と麻の関係性を説明するにあたり、まずは「神宮大麻」について解説していきます。神宮大麻とは、祓い具である祓い串の御真を和紙で包んだ伊勢神宮の神札のことです。神宮大麻には下記の3種類が存在します。

  • 神宮大麻
  • 神宮中大麻
  • 神宮大大麻

 それぞれで大きさが異なりますが、御神徳が同じであるため神棚に適したものを選んでください。本来「おおぬさ」と読み、この「ぬさ」とは木綿や麻を意味しています。神宮大麻は国民のあかしであり、江戸時代末期までは全体の9割にあたる家庭で祀られていました。その理由は、神宮大麻は日本人の総氏神さまとして最も崇め慕われているお宮のお神札であるからです。日本人は天照大神を神として感謝し、天照皇大神は太陽の光のように恵を人々に与えてくれると信じて仰いでいます。
 神宮大麻は地域をお守り下さる氏神様、鎮守様のお神札を一緒にお祀りして、家庭の無事と幸せを祈る際に祀られます。
 大麻にはケガレを祓う神聖なものとして重宝されており、それは日本古来から、今もなお続いている考え方です。
またそんな伊勢神宮の神札は、日本全国の神社に置かれています。

伊勢神宮のしめ縄には麻を使用

 伊勢神宮のしめ縄には麻が使われています。しめ縄は天照大神が天の岩戸から出た際に、戻らないようにしめ縄で戸を塞いだという言い伝えがあります。ここでも天照大神が麻と関わっており、さらにしめ縄には災いをもたらさないよう結界を張る意味もあるとされています。
 伊勢神宮のしめ縄に使われている麻は、専門の農家から提供された一級品のみ。国内の麻生産における90%以上を占めるのが栃木県。伊勢神宮にも毎年奉納されており、栃木県産の麻の質の高さは折り紙付きです。
しかし、日本では麻は良い印象がなく、大麻の栽培が難しい状況です。しかし、邪気を払ってくれる麻を守るため、そして伊勢神宮でも引き続き使用するために、三重県は伊勢麻振興協会の申請を受理して大麻栽培を許可しています。三重県では大麻栽培の許可を与えたのは初めてのことですが、合理的な必要性があると判断されたようです。
 また、伊勢神宮のしめ縄は「お伊勢さんのしめなわ」と呼ばれ親しまれ、自宅にて祀るものとして玄関用・神棚用の2種類があります。伊勢のしめ縄職人が心を込めて作っており、すべて自然の素材を使い作られているのです。
 お伊勢さんの玄関用しめ縄には、
笑門」「蘇民将来子孫家門」「千客萬来」と3種類の木札があります。そして、部位ごとに
新年を迎えるための裏まで白い誠心を表す「裏白」
厄病除けや邪気退散の意味がある「馬酔木」
鬼の目突きといい邪鬼の侵入を防ぐ「柊」
一家の円満を願う「橙」
子孫繁栄の象徴である「楪葉」

があり、それぞれの意味があるのです。そして、しめ縄は主材が「藁」で、取り付け用として麻ヒモが付属されています。

お祓いに使われるオオヌサも大麻繊維を使用

 神主さんがお祓いをする際、白い紙の付いた道具をシャカシャカと振っているのを目にしたことがある人は多いでしょう。この道具は大麻と書き「オオヌサ」と呼ばれ、神主さんにとって欠かせないお祓いアイテムですお祓いをする人、または物に向かってオオヌサを左右に振ることで、邪気を祓います。
 そして、清めを重視した神道で使われるのが「精麻」といい、これは大麻からとれる靭皮という繊維です。精麻は清めを重視する場面、そして神聖な場所である神社にて使われます。
さらに、神社ではしめ縄や神主さんが使うお祓い道具だけでなく、巫女さんが髪の毛を束ねるために使うヒモは麻を使っています。また、清めが必要な役割の人は、頭に麻を巻き付ける決まりがあるのです。

まとめ

 伊勢神宮は日本人にとって非常に神聖な地であり、毎年多くの人が参拝に訪れます。天照大神が祀られているなどで知られていますが、実はその由緒正しき伊勢神宮には、邪気を祓うための道具として麻が随所に使われているのです。
 古来よりケガレを祓うものとして重宝されており、それは今もなお引き継がれています。麻は神道と古来から深い関りがあり、日本の昔から続いている伝統文化を支えている神聖な植物です。
 大麻取締法の制定により、日本ではあまり良い印象を持たれていないのは事実です。しかし、麻は我が国において神事に使われることから、生産をストップさせるわけにはいきません。伊勢神宮がある三重県では大麻生産の許可申請を実施するなど、動きがみられています。麻は衣類や寝具などに使われていると認識している人は少なくありませんが、日本文化にも大きく関係していることを知っておきましょう。

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引用元

http://www.iseasa.com/hemp一般社団法人伊勢麻振興会『日本の麻栽培の現状』
https://ise-asafuku.jp/麻福
https://www.isejingu.or.jp/about/estate/cloth.html神宮『神様の衣神卸衣』
http://www.honmono-m.com/asa/麻の魔力と魅力
https://asafuku.jp/SHOP/D0030-1.html麻福『魔除払いにしめ縄』
https://www.isemiya.com/products/list.php?category_id=11伊勢宮『お伊勢さんのしめ縄』

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