美肌を育むといわれるヘンプオイルとヘンプ抽出成分CBD。どのような作用があり、どんな商品が生まれているのでしょうか。
ヘンプの力をコスメに利用
リラックスや安眠作用など、何かと話題となっているCBD(カンナビジオール)。ヘンプ=大麻草に含まれる化学成分の1つで、健康に役立つ成分として世界中で様々な商品が登場しています。
成分そのものを摂取する電子タバコやオイルタイプだけでなく、最近ではチョコレートやコーヒー、グミなどのより身近な嗜好品にも配合されより親しみやすくなっています。そしてその美容効果もから、ヘンプやCBDの力を使ったコスメも続々と登場しています。
ヘンプ成分とはどんなもの?
ヘンプ=大麻に含まれるカンナビノイドやテルペンといった化学成分は数百種類におよび、それぞれが独自の作用を持っています。日本では麻薬・危ないものというイメージがいまだに強い大麻ですが、人間の健康に役立つ成分がたくさん含まれ欧米を中心に多くの国で医療大麻の合法化が進み、現在では植物よりもその成分別に規制をした方が良いという考え方が広まっています。
その顕著な例がカナダや米国での大麻合法化です。カナダでは国として医療用・嗜好用の大麻を合法化しましたが、米国では州ごとに規制が異なり、コロラド州やニューヨーク州のように医療用・娯楽用ともに合法の州もあれば、医療大麻としてはOKだが嗜好品としては規制するなど、州によって様々な取り決めがあります。これは大麻の中に向精神作用のある物質テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれているため。しかしこのTHCも、使い方によっては難病の治療に役立ことが研究により分かっており、医薬品開発も盛んです。
ヘンプオイルの効果とは
「ヘンプオイル」と「CBD」はどちらも大麻草が原材料のため混同されることもありますが、両者は成分も用途も大きく異なります。
ヘンプオイルはヘンプの種子=ヘンプシードを絞ってその油分を抽出したもの。オリーブオイルなどと同じように食用にしたり、肌に塗ったりすることもできます。高い保湿性が特徴で、アトピー性皮膚炎などかゆみの軽減に有効なガンマリノレン酸を含んでおり、肌トラブルの解消に使用されることもあります。またオメガ3とオメガ6の必須脂肪酸をバランスよく含んでいるためアンチエイジング効果も期待されています。英国発の人気コスメブランド、ザ・ボディショップではヘンプオイルの特性にいち早く注目し、90年代から乾燥肌向けのヘンプ製品シリーズを展開してきました。
またオイルの材料となるヘンプシードは「スーパーフード」と呼ばれるほど栄養価が高いことでも知られています。こちらもナッツやゴマのような感覚で食生活に取り入れて、上手に活用していきたい食材です。
CBDの効果とは
CBDは麻のさまざまな部位から抽出される、カンナビノイドと呼ばれる成分の一つです。大麻の花や葉の部分からも抽出できますが、日本では大麻草の茎と種子から抽出されたものだけが合法とされています(※)。ストレス状態の軽減やリラックス作用、不眠や不安の緩和、炎症や痛みの緩和など人体に様々なプラス効果を発揮し、免疫機能への働きかけや神経保護、骨損傷の回復を早めたり骨密度低下を遅らせたりする作用も見つかっているため、医療利用に向けて様々な研究が行われています。
体に取り込まれたCBDは、体内のバランス調節機能であるエンドカンナビノイド・システム(ECS)にある2つの受容体に働きかけることでその効果を発揮します。このECSは食欲、痛み、免疫、感情のコントロールや運動機能、神経保護、認知と記憶など様々な機能を司り、細胞同士のコミュニケーションを支えています。
(※大麻草を使わず、微生物発酵によって作り出される生合成カンナビノイドを除く)。
こんな商品がある
ヘンプオイルもCBDも、美肌コスメと相性ぴったりです。特にニキビや痒みに悩んでいる人には効果的とされ、辛い湿疹や乾癬などの症状改善にも役立つそう。また細胞にダメージを与える過剰な活性酸素(フリーラジカル)からも肌を守ってくれるなど嬉しいことばかり。国内外で様々な商品が見られるようになり、クリームや美容液にクレンザー、ヘアケア用品、バスグッズなどで全身ケアも可能になりました。
以下でいくつかコスメ例を挙げてみましょう。
↑エメラルドCBD社のディープモイスチャーグローオイル
コロラド産のオーガニックフルスペクトルCBDが含まれており、肌の炎症やダメージを受けた肌を落ち着かせ、健康的な輝きを与えます。
↑ヒット商品を数多く生み出しているキールズ社のヘンプオイル入り洗顔料。ヘンプオイルの他にもグリーンオレガノオイルなど96%天然由来の成分を配合し、独特のジェルテクスチャー
で敏感肌も優しく洗い上げます。同ブランドでは他にもトラブル肌を落ち着かせ、外の刺激から保護するフェイスオイルもリリースしています。
↑ヘンプシードオイル配合のヘアパックで髪の毛しっとり
↑Revolution社の肌に潤いを与えるCBDオイルとエッセンススプレーのセット。傷ついた皮膚を修復する昨日のあるカレンデュラフラワーエキスも配合され、ダブル効果で肌トラブルを改善します。
↑Petticone社のCBD配合敏感肌セラピースージング&ハイドレイティングアイクリーム。デリケートな目の周りに潤いとハリを与えるアイクリーム。低アレルギー性。
まとめ
スキンケアタイムに癒しとリラックス効果をプラスしてくれるCBDコスメ。乾燥肌やニキビなどトラブルに長年悩んでいる人にとって、心強い味方になってくれそうです。トラブルがひどい場合は皮膚科と相談しつつ、自分の肌に合わせたスキンケア用品を探してみてはいかがでしょうか。
<参考資料>
https://www.walgreens.com/search/results.jsp?Ntt=CBD
https://www.boots.com/skincare-beauty-advice/beauty-edits/cbd-beauty-and-skincare