大麻由来の成分であるCBD(カンナビジオール)が注目されています。もともとは欧米諸国で大麻の医療利用を目的に研究されていましたが、近年は日本国内においてもCBDを添加した健康・美容サプリや医療機関での処方薬としてよく見られるようになりました。
メディアなどでCBDが取り上げられる機会が多くなってきたので、一度はその名を目や耳にしたことがある方は多いでしょう。
しかし実際にCBDがどういう成分でどういう効果・作用を持っているのか、詳しく知らない方は少なくないはずです。
本項ではCBDの効果と作用について詳しくお話しします。
CBDの主な効果と作用
CBDを含むカンナビノイドの医療的活用においては、すでにたくさんの論文が発表されています。その中でも代表的なのは進行性のガンに伴う痛みの緩和や神経障害による症状の緩和、ガンの化学療法やつわりなどに伴う吐き気や嘔吐などといった症状の緩和などです。
その他、胃食道逆流賞や不眠症、HIV、心臓病、精神疾患、皮膚病、肝炎、脳血管障害、アルツハイマー、食欲不振、発作(てんかん)、高血圧、パーキンソン病、リウマチ、心的外傷ストレス障害、糖尿病、関節炎、乗り物酔い、ヘルペスなど多くの症状への効果・作用にかんする論文が発表されています。
CBDの効果と作用は対応する症例により異なりますが、主な効果として抗炎症性、抗酸化性、抗アポトーシス性や鎮痛作用、免疫調節特性、吐き気の緩和やリラックス効果などがあげられます。
こうした効果からCBDは実際に、欧米をはじめとする海外諸国における医療の現場で実用化されており多くの患者を救っています。
しかしCBDが比較的新しい研究対象であり、まだまだ解明されていない部分が多いのも事実です。
発展途上のCBD研究
CBD研究の歴史は比較的新しく、諸説GAありますが初めてCBDが精製されたのは1940年代のこと。米国イリノイ大学のロジャー・アダムス教授により化学構造式が明らかにされたのです。その後CBDが注目を集めたのが1980年代のHIV問題。HIVが米国を中心に流行し社会がパニックを引き起こしていた時代に、CBDのHIVへの効能が注目されたのです。
以降、CBDの成分や効果は地道に研究され、安全性が確認されると医療現場で採用されるようになりました。近年はサプリメントとしても市場に流通しています。この背景には、世界的に大麻の規制緩和が進められた事情もあるでしょう。大麻由来の医薬品や製品が、一気に市場を拡大しているのが現状です。
ちなみに日本では大麻の所持そのものが厳しく規制されているため、たとえ研究目的でも実質的に使用できないのが現状です。そのため日本の大麻研究は、世界に比べ大きく後れをとっています。
CBDは今後どうなっていくのか?
薬学の歴史は、毒学の歴史でもあります。麻酔作用で有名なモルヒネももともとはケシに由来する成分であり、これはヘロインの原料と同じもの。使い方で毒にも薬にもなる代表的な一例です。
また、ほんの数十年前まで統合失調症(当時でいうところの分裂症)の治療として、米国ではインスリンを過剰に投与し患者の血糖値を無理やり下げるインスリン・ショック療法や電気ショック療法など、現代では考えられないような治療が実際に行われていました。さらにはマラリアに感染させ患者を管理するという荒療治が行われていたのもこのころです。
薬学が臨床の場でトライアンドエラーを繰り返しながら発展してきたように、CBDも今まさに同じ道を辿っています。
ただしCBDの場合、服薬による副作用を含む健康リスクが、先にあげたいくつかの例よりもはるかに小さいということ。それでいて一定の効果と作用が認められていることが大きなメリットです。そのため、民間でも管理しやすく扱いやすい優れた漢方であるという認識が広まっています。
今後、CBDの利用は世界中でいっそうシェアを広げていき、それに伴い多様な商品も展開されるでしょう。大麻関連商品の市場は、現在進行形でどんどん拡大していきます。日本でもCBDを採用する医療機関が増えてきました。CBDの成分と効能がさらに解明されれば、ニーズはさらに高まっていくはずです。
CBDを日常に取り入れる
CBDはさまざまな疾患への効果が確認されており、その効能は今後さらに多くの症例に対応できることが期待されています。
もちろん医療の場だけでなく、民間でも健康を補助するサプリメントとして利用される機会が増えていくでしょう。たとえば料理にフレッシュなエキストラバージンオリーブオイルを使うように、サプリメントで栄養摂取を補助するように、あるいはアロマテラピーで心身のリラックスを図るように、CBDが当たり前のように利用される時代がくるかもしれません。
今後CBDの効果や可能性が多くの人にシェアされれば、より身近で日常的なものになっていくでしょう。
まとめ
新しい文化は最初、否定的な意見とともに慎重に検証されるのが普通です。今のCBDは、文化としてその最初の難関を乗り越えたところでしょう。これからは正しい情報がシェアされ、市場を拡大していくことが予想されます。
あるいは思わぬ疾患の特効薬として、唐突に注目を集めるかもしれません。
今後の研究への期待が高まります。
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引用元
(参考文献、URL、URKページ タイトル記載)
https://cbd-guidance.com/
https://animalcbd.jp/