【江戸時代に大流行!?】日本の衣類と麻の活用変遷

 日本の衣類には実は歴史的にみると麻を使用したアイテムが多いです。
その活用変遷を見ていくと、今に至るまでにどういった洋服に使われ、どのような特徴があったかなどがわかります。
 そこで今回は、縄文時代から現代まで、麻の活用変遷の歴史を解説していきます。

縄文時代には衣類に使用されていた

麻は人類最古の繊維といわれており、日本では縄文時代には衣類に使用されていたといわれています。1万年前から日本人は麻を使った衣類を着用しており、寒さから身を守るために重宝されており、現代ではあまり知られていない麻の保温性についても気づいていたようです。

武士に愛され最高級の献上品として使用

 奈良時代には東大寺の正倉院宝物のなかに、麻の繊維を使った衣装が残されています。縄文時代から始まり、長きに渡り麻が衣類に使用されていることがわかります。そして、時代が進むにつれて布を作る技術が向上し、今までよりも柔らかい麻布が作られ始めました。
 そして、鎌倉時代に入ると麻は衣類などの日用品だけでなく、武士に愛され始めたことから最高級の献上品として生産されていたと、史書から読み取れます。1192年に、源頼朝が芋麻の糸を使った越後上布を贈ったという記録があり、さらには上杉謙信は芋麻の繊維を糸状にした束を取引するなどして多くの利益をあげていたという。
 武家社会において、麻はその特性である汗への強さから、兜や鎧の裏地に使われ、軍需で活用されることが増加していきました。

江戸時代には麻の葉模様の着物が流行

江戸時代になると、制服指定により衣類に対する麻への需要はさらに高まります。徳川幕府では礼服に麻の襟が使われるようになり、これによって麻布の生産が多くなったからです。数あるなかでも、奈良晒の芋麻を使った麻布は徳川幕府から御用品指定を受け、高い評価を受けていたことが書物に残っています。

 そして、江戸時代に人々を熱狂させたのが麻の葉模様の着物です。麻は素材としてはもちろんですが、実は衣類のデザインにも使われ大流行しました。麻の葉模様は日本の伝統文様として今もなお残っており、麻の特性でもある耐久性、成長の早さから「子どもが健やかに成長しますように」という意味が込められています。そのことから、麻の葉模様は赤ちゃんが着る産着の定番デザインです。(大人気の某漫画の主人公の妹が作中ずっと着ていたのが記憶に新しいですね。)
 また、もともと麻の葉模様は仏教の衣類や絵画に登場していたもので、仏教美術のデザインとして誕生したものです。しかし、江戸時代に入ってからは人気の歌舞伎役者が麻の葉模様の服を衣装にしたことから多くの人に浸透し、やがて広まり流行したのです。
  今でも麻の葉模様の着物や浴衣などは多く販売されており、人気の和柄として注目されています。また、衣類以外にも手ぬぐいやガーゼにも活用されていますので、気づいていないだけで日頃目にしていることが多いかもしれません。

現在は主に夏の衣服で使われている

 現在、麻を使った衣類は主に夏服に用いられています。麻の特徴についてピックアップしていくと、夏におすすめである理由がわかりますのでご紹介していきましょう。
「吸水・発散性が高い」
麻の最も優れたポイントともいえるのが、吸水性や発散性の高さです。麻はサラッとした肌触りをキープすることに長けており、例え汗をかいてしまった場合でも肌にべたつかず、すぐに乾いてくれます。コットンやシルクなど多くの衣類に使われている素材と比較しても吸水性や発散性には優れていることが、夏の衣類としてリネンシャツが発売される理由です。
「耐久性が高い」
上述した通り、麻は耐久性に優れているのが特徴として挙げられます。それは衣類にも活用される理由となっており、天然素材のなかでも最も強靭といわれるほどです。水に濡れると強度が増すという特性から洗濯を繰り返しても弱くなりにくく、汚れも落ちやすいため長期間に渡り着用可能。
「さわやかな着心地」
麻の繊維はシャリ感や張り、通気性に長けています。また、接触冷感もありますので夏には最適な訳です。肌に触れるたびに冷たさを感じますし、熱の伝導性の高さから体温を放熱させる効果も期待できます。さらに、麻にはペクチンという成分が含まれているため、肌に触れてもチクチクしないのが特徴。着心地の良さから、大人だけでなく子ども用の衣類にも選ばれています。
「保温性も高い」
麻を使った衣類は夏物のイメージが強くありますが、実は保温性が高い素材でもあります。麻の繊維には空気が含まれていて、それがサーモスタットの役割を担うことから寒さにも強いですそのため、麻を使った衣類は、年中活用されています。

まとめ

 歴史をたどっていくと、麻が日本の衣類に大きくかかわっていることがわかります。日本人が衣類として使いだしたのは縄文時代にまで遡り、現代にいたるまで変わらず愛され続けているのは、麻が持っている特性がフィットしたからではないでしょうか。
 昔と今も変わらず、麻はその特性を活かして大人から子どもまで幅広い世代の衣類に活用されています。夏物のイメージが強いですが、保温性にも優れているという点から冬物にも目を向けてみてください。

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引用元

https://precious.jp/articles/-/281改めて学ぶ『麻(リネン)』成り立ちから取り扱い方法まで
https://sunchi.jp/sunchilist/craft/115196麻とはどんな素材なのか
https://asabo.jp/museum/tradition/日本麻紡績協会『伝統の中の麻』
http://www.asaban.jp/asa.htm ASABAN麻と亜麻について
http://www.tamagawa.ac.jp/SISETU/kyouken/jomon/fuku.html縄文人はこんな服を着ていた
https://asanavi88.com/history/history1/麻ナビ『大麻の歴史縄文〜江戸』
https://www.city.toyama.toyama.jp/etc/maibun/kitadai/j_kouza/kouza-01.htm縄文人のファッション

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