【イギリス編】世界で注目を浴びるCBD製品 

医療ヘンプ合法化がビッグな転機に

 近年、美容や健康業界で熱い視線を集めているCBD製品。大麻草から抽出した天然成分CBD(カンナビジオール)を配合した商品やグッズが続々と生まれています。植物由来というナチュラルなイメージも、注目を浴びている要因の一つのよう。
 さまざまな薬理効果があることが知られるようになったCBDですが、主に以下のような効果を期待できるとされています。

①難治性小児てんかんや多発性硬化症の症状の緩和(高濃度での利用)
②ストレスと不安の緩和
③炎症や痛みの緩和

 英国では、重度のてんかんなど医療目的での大麻製品の処方が2018年に合法化されました。
 このような背景から、CBDの認知はこの1、2年で一気に進んだ感があります。
 英CBDブランド「アルファグリーン(Alphagreen)」の調査によると、国内でのCBD製品購入の目的1位が痛み止め(42%)2位が不眠解消(21%)3位が不安緩和(19%)。従来の医薬品と併用して、サポート的にCBDを取り入れている人が38%にのぼります。※
(※CBDと医薬品を併用する場合には、医師または薬剤師への確認をおすすめします。)

医療&ウェルネス業界で認知度アップ


 英国内で大麻製品の医療処方が可能になったのは、大麻由来の医薬品に頼らなくてはならない幼いてんかん患者のニュースが大きく取り上げられたため。人々の持つ大麻草への先入観を払拭する大きなきっかけにもなりました。医療グレードの大麻製品は重度のてんかん患者のほか、がんの化学療法による副作用抑制など様々な症状に役立つことが広く知られるようになったからです。
またスポーツ選手が怪我のリカバリーCBD製品を使用していることが報じられるようになり、スポーツファンに「そんな効果が!」という驚きを与えるとともに、CBD=大麻=麻薬というイメージが薄れはじめました。CBD配合コスメも紹介されるようになったことで女性ファンも獲得し、ウェルネス界の注目成分として認知が高まっています。

 現在の英国では18歳以上であれば近所のコンビニやドラッグストア、自然食品の店などで気軽にCBD製品を購入できるようになっており、健康や美容目的、ペット用品など幅広い製品が販売されています。広い層にアピールするナチュラルでクリーンなイメージを前面に押し出した商品も多く、アロマテラピーやハーブのような感覚で取り入れる人も増えました。
 以下では、英国でポピュラーなCBD製品についてご紹介していきます。

使い方いろいろ。一番人気は液体タイプ 

 英国で発売されているCBD製品の中で最も人気が高いのは、瓶に入った液体をスポイトで吸い出して使うオイルタイプ。CBDオイルを舌の下に直接たらすのがポピュラーな服用法ですが、ドリンクや食べ物、スキンケア用品に混ぜて使うこともできます。ペットの痙攣や関節炎の症状改善などのため飲み水に混ぜる人もいます。
 また電子タバコ用のCBD入りベイプ・リキッドも人気があり、様々なフレーバー付きの製品を街のコンビニ等で気軽に購入できるようになっています。

スポーツ選手プロデュース製品も

 プロのアスリートがはげしいトレーニングや競技後の疲労回復やケガ、炎症のリカバリーを目的にCBDを利用するようになったことは一般への認知度アップの最大の要因となりました。
 2018年にWADA(世界アンチ・ドーピング機関)が CBD をドーピング薬物の規制対象リストから除外したことにより、スポーツ選手は規制を受けずにCBDを使用する事が可能になっています。
 英国ではプロラグビー選手のジョージ・クニスとドミニク・デイの立ち上げたCBDブランドfourfiveCBDが英国で話題に。筋肉疲労回復クリームなどスポーツに特化したCBD製品を展開しており、全国展開のドラッグストアでもオンライン購入が可能になっています。ランニングやフィットネス雑誌などでもCBDグッズ特集が組まれるなど、パフォーマンス命のフィットネス好きの間でも人気を集めているのです。

安眠や不安の緩和を求めて

 忙しい暮らしの中で、ストレスや心の疲れがたまってしまうことも多いもの。このためCBDの持つ精神的なリラックス効果も大きく注目されています。大麻草というとマリファナを思い浮かべ、高揚状態になったり幻覚を見るのではないかと不安を覚える人も多いですが、大麻草の成分でいわゆる麻薬として作用する成分はTHC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれ、CBDとは全くの別物。
 CBDにはリラックス効果や不安を和らげる効果があり、寝る前に服用すると睡眠の質が向上するという効果も報告されています。つらい偏頭痛などの解消にも役立つとされ、症状の緩和を目的にオイルやCBD入りハーブティなどのドリンクで取り入れている人が多いよう。カプセルに入ったサプリメント・タイプは親しみのある形状で麻独特の味を気にせず服用できるため、こちらも愛用者が多いアイテムです。

 また新型ウィルスのパンデミックで厳しいロックダウン規制下に置かれた2020年前半の英国では、不安・不眠・ストレスに悩んだ人がCBDを取り入れることが多く、売上げは前年の1.5倍に伸びました。
 

低アルCBDビールで二日酔い知らず

 このように健康食品的な扱いを受けることの多いCBD製品ですが、人気が高まるにつれ、若い世代を中心にもっと気軽に取り入れたいというニーズも生まれました。そうした風潮を反映して英マンチェスターにあるブルワリー「クラウド9」では2018年、英国発のCBD配合ビールを発売。
 また「ソバーキュリアス」と呼ばれるドリンク界の低アルコール・ノンアルコールのトレンドに乗り、2019年にはアルコール度数0.5%のCBD配合ビールも誕生しました。「アルコールの代わりに、二日酔いの心配がないCBDでリラックス・タイムを」という新しい楽しみ方。「飲み会はパスしたくないけど、お酒はほどほどに」という、ヘルシー志向のミレニアル世代に受けています。

 ほかにもロンドンの飲料ブランド「カーム・ドリンクス(Calm Drinks)」は2020年、14種類のビタミンとミネラルを配合したフルーティなCBD配合炭酸ドリンク「カーム・ウォーター」を発売。免疫力アップとリラックス効果を期待できるドリンクとして注目を集めています。同社では炭酸飲料のほかにもCBD配合のカフェラテやココアも展開、おしゃれなパッケージデザインが目を引きます。 またカフェインですっきり目覚めつつ穏やかな気持で一日を過ごそうと、CBD配合のコーヒーを朝の習慣に取り入れている人も。クラフト・コーヒーやビール等、英国の食品・飲料トレンドとミックスされているところに、CBDブームの勢いを感じます。

ヘルシー&美肌効果で女性ファンも獲得

 ハリウッド・セレブたちがCBD配合スキンケア用品を愛用していることがメディアで報じられるようになり、英国でもCBDの美容効果が広く知られるようになりました。心も身体も美しく保つのが職業の彼らの愛用品なら、試してみたくなるのが女心。
 人気が高いのはやはりスキンケア系で、保湿クリームや美容液、アンチエイジングクリームなど様々な商品が出回っています。CBDコスメブランド「CBD オブ ロンドン(CBD of London)」の人気ナンバーワンはビタミン配合のリッチなナイトクリーム。ほかにもマスカラやリップクリーム、ソープ、フェイスマスクやデオドラントなど様々なブランドの商品が展開されています。

CBDスパ体験できるサロンも

 美容トリートメントが受けられるサロンも登場しました。ロンドン中心地の高感度エリア、マリルボーンにあるサロン「ザ・ドラッグ・ストア」CBD商品を集めた高感度セレクト・ショップ。スタイリッシュなインテリアのエステルームではCBD配合オイルでのフェイシャルや全身マッサージなどのサービスを受けることができます。セレクトショップを訪れたような感覚でお洒落ムード満点。その場でコスメやサプリを購入することもできます。
 またラグジュアリーなスパ、そしてナチュラルコスメブランドとして知られる「カウシェッド」でも、CBD使用のマッサージやフェイシャルのサービスを開始。
 美肌効果のほかにも筋肉や関節の痛みを緩和する効果が知られるようになったことで、最近は美容だけでなくシニア層の体の痛みを改善する期待のサプリメントとしてのCBD利用にも注目が集まっています。

まとめ

 医薬品だけでなくさまざまな製品に取り入れられるようになったCBD。最近ではデザート、スナック、ペット用品やバス用品など「こんなものにまで!」と驚くユニークなCBD製品も見られるようになりました。CBDを取り入れた英国ならではのアフタヌーンティー・カフェやカクテル・バーも誕生。
 成長が早く、農薬や化学肥料を使用しなくても元気に育つ麻は、環境への負担が少ないサステナブルな植物であり、使い捨てプラスチック製品が販売禁止になるなど環境保護への関心が高い英国では、このポジティブなイメージも普及に一役買っています。
 2020年に入り、英国のカンナビノイド企業団体ACIでは消費者が安心して製品を利用できるよう、食品などに配合されたCBDの品質規格化を進めることを発表しました。
 老若男女、多くの人が安心してCBDを取り入れることができる日もそう遠くないでしょう。

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引用元

コロナショックでCBD人気
https://www.conveniencestore.co.uk/retail/coronavirus-lockdown-prompts-soaring-interest-in-cbd/604645.article

https://medium.com/alphagreen/cannabis-to-the-rescue-uk-cbd-sales-greenshoot-as-lockdown-and-covid-19-plays-out-57e550f50a63

ビール
https://imbibe.com/news/pint-of-high-pa-please-cloud-9-launches-beer-with-cannabis/
https://www.beerguild.co.uk/news/cbd-ultra-launches-high-flyer-uks-first-cannabis-infused-craft-beer/

低アルビール
https://www.beveragedaily.com/Article/2019/11/05/CBD-infused-beer-offers-hangover-free-alternative-to-alcohol

CBD美容
https://www.standard.co.uk/lifestyle/wellness/cbd-facials-massages-london-beauty-salons-a4229051.html

https://www.vogue.co.uk/article/how-does-cbd-skincare-work
https://thedrug.store/
https://www.harpersbazaar.com/uk/beauty/a28490712/the-drug-store-cbd-launch/

シニア向けCBDガイド
https://www.clevescene.com/scene-and-heard/archives/2020/06/08/the-ultimate-guide-to-cbd-and-seniors-with-joint-and-back-pain

CBDカクテルやコーヒーが飲めるカフェ&バー
https://www.stylist.co.uk/life/recipes/where-can-i-try-cbd-oil-infused-lattes-coffee-foods-in-london-restaurants/245751

カンナビノイド企業団体ACIによる規格化の動き
https://www.foodnavigator.com/Article/2020/05/14/CBD-industry-body-looks-to-lay-foundation-for-standardised-testing

fourfiveCBD
https://fourfivecbd.co.uk/

Calm Drinks
https://www.calmdrinks.co.uk/

CBD of London
https://www.cbdoflondon.co.uk/

Cowshed
https://www.cowshed.com/

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