CBD(カンナビジオール)は健康やリラックス効果がある成分として、日本でも若い世代を中心に人気が高まっています。しかし最近ではCBDについて「キマる」「依存性がある」「違法」などのあやふやな情報も広がっています。ここではCBDに関するよくある誤解を5つ取り上げて解説します。
CBDとは何か?その効果は?
CBD(カンナビジオール)は、大麻草(カンナビス・サティバ、またはヘンプ)に含まれる化合物の一つです。最近の研究では、CBDにはさまざまな健康効果があることが示されています。規制緩和により、健康維持のための成分として注目されています。
CBDは、体内のバランスを調整するエンドカンナビノイドシステムに作用し、体内のさまざまなバランスを保つのに役立ちます。定期的にCBDを摂取することで、痛みの緩和、抗炎症作用、リラックス効果、不安やストレスの軽減に効果があるとされています。また、海外では重度のてんかん患者やがん患者の症状緩和のために、CBDを含む薬が処方されることもあります。
CBD製品は薬品だけでなく、サプリメントとしても多くの種類が販売されています。一般的な製品には、オイル、カプセル、クリーム、食用のエディブルなどがあります。医療や美容分野でも関心が高まっており、聞いたことがある・見たことがある方も増えてきたのではないでしょうか。
CBDにまつわる5つの誤解
CBD(カンナビジオール)が人気になる一方で、多くの誤解も生まれています。まず、CBDが日本で規制されている大麻草と混同されることがあります。大麻にはさまざまな成分が含まれており、その中にはTHC(テトラヒドロカンナビノール)のような精神作用のある成分も含まれています。しかし同じ大麻草に含まれていても、CBDにはそのような作用がありません。CBDは精神を高揚させることなく、リラックスや健康維持に役立つ成分なのですが「大麻=麻薬・悪い・怖い」という負のイメージがまだ根強いため、この誤解が生じやすいようです。
大麻は古代から薬草や繊維、食料として使用されてきた歴史があります。以下では、CBDにまつわる5つの誤解を取り上げます。
①「CBDはキマる」という誤解
一般的に「キマる」「ハイになる」とは、薬物の効果で精神が高揚することを指します。大麻に含まれる成分の中にはTHC(テトラヒドロカンナビノール)のように精神的な高揚感を引き起こす物質も含まれていますが、CBDはそのような作用がありません。
THCとCBDは異なる成分であり、CBDを摂取することでリラックスしたり・精神が落ち着いた状態を感じることはあっても、「ハイ」になることはありません。この誤解はCBDの特性を理解していないことから生じています。
CBDは、私たちの体内にある「内因性カンナビノイド」の働きを模倣し、エンドカンナビノイドシステムというバランス調整機能を通じて体内を調整し、痛みの緩和、リラックス効果、不安やストレスの軽減、抗炎症作用などをもたらします。
②「CBDに依存してしまう」という誤解
CBDは精神的にも肉体的にも依存を引き起こすことはありません。数多くの研究でCBDの安全性が確認されており、人体に悪影響を及ぼす可能性は極めて低いと考えられています。
依存性のある物質とは異なり、CBDはリラックス効果や痛みを和らげる効果が期待できる一方で、使用をやめても禁断症状が現れることはありません。ただし、CBDが含まれている大麻草そのものの使用は精神作用を引き起こすTHCなど他の成分も含まれているため酩酊状態を引き起こします。これは違法なだけでなく、認知機能を低下させたり、学業や仕事へも影響し、交通事故などの危険性を高めます。CBDと大麻草は別物、ということを覚えておきましょう。
③「CBDには違法」という誤解
CBD(カンナビジオール)は、日本を含め多くの国で違法ではありません。ただし日本では、CBD製品が合法であるためには、THC(テトラヒドロカンナビノール)という精神作用のある成分を含んでいないこと、葉や花穂以外の部分から抽出されていることが求められています。
これに対して、THCを含む大麻やTHC成分そのものは厳しく規制されています。したがってCBD製品を選ぶ際には、THCフリーであることを確認することが重要です。この点を理解していないと「CBDは違法だ」という誤解が生まれてしまいます。適切な製品を選ぶことで、安全にCBDを利用することができます。製品を購入する際は、成分調査の結果を公表している信頼できるメーカーを選ぶことが大切です。
④「CBDは何にでも効く」という誤解
CBDはさまざまな症状に対して良い効果があるとされていますが、すべての病気や症状に効くわけではありません。研究によって、痛みの緩和や不安・ストレスの軽減、抗炎症作用、睡眠の改善などが確認されています。また、難病の治療や薬物依存症の回復、うつ病の改善に効果があったという報告もありますが、CBDがすべての病気や症状に対して効果があるわけではないのです。
治療目的でCBDを使用する場合、最良の結果を得るためには医師への相談が重要です。CBDは補助的な治療として役立つことがありますが、万能薬ではないことを理解しておく必要があります。また、市販されているCBD製品には品質や濃度にばらつきがあるため、信頼できる製品を選ぶことが大切です。
⑤「CBDは即効性がある」という誤解
CBDの摂取方法には、オイル、カプセル、スキンケア製品など、さまざまな種類があります。どの方法でも効果が期待できますが、体内に取り込まれる経路によって効果の現れ方が異なります。
たとえば、舌下に垂らして粘膜から直接吸収させるオイルタイプは、比較的早く効果を感じることができます。一方で、カプセルや経皮パッチは、効果が緩やかに持続しますが、発現に時間がかかることがあります。場合によっては、1日で効果を実感できないこともあります。
自分に合った摂取方法を選ぶことが重要です。体内での吸収や代謝の過程により、効果を実感するまでに数日から数週間かかることもあります。そのため定期的な使用が必要ですので、焦らずに続けることが大切です。
まとめ
今回はCBDにまつわる5つのよくある誤解についてご紹介しました。CBDには様々な症状に対するポジティブ効果が期待できますが、あいまいな情報に頼って使うと、思ったような効果が得られなかったり、体調を崩してしまうこともあります。CBDの本来のメリットを引き出し、より健康的なライフスタイルを実現するためには、確かな知識に基づいて、信頼できる製品を選ぶことが不可欠です。正しい情報を得て、安全にCBDを活用していきましょう。