
セレブ一家に生まれ、若くしてスターになったマイリー・サイラス。子役出身にありがちなお騒がせセレブ時代から再生できたきっかけは、CBDサプリメントだったそうです。
優等生アイドルからお騒がせセレブへ
ドラマの子役でデビューし、現在は歌手やプロデューサーとして活躍中のマイリー・サイラス。歌手一家に生まれ9歳でモデルデビューを果たし、テレビドラマや映画に子役で出演したあと、ディズニー・チャンネルのドラマ『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ(原題:Hannah Montana)』で大ブレイクし、一気にティーンたちの憧れの存在になりました。
2009年3月には16歳の若さで自伝本『Miles To Go』を発表。2014年には米『タイム』誌が選ぶ「最も影響力のある100人」に選ばれ、ドラマ卒業後も歌手として活躍します。しかし若くしてスターになった優等生アイドルというイメージの反動もあってか、しだいに突飛な格好や言動が目立つようになり、華麗な恋愛遍歴でハリウッドニュースのゴシップ欄に取り上げられるなど「お騒がせ」ニュースばかりが取り上げられるようになります。ほかにも飲酒に溺れたり、当時は違法だったマリファナを喫煙する姿もスクープされ、ディズニー時代の優等生イメージはすっかり壊れてしまいました。
そんな彼女の荒れた生活を救ったのが、大麻由来の成分CBDだったといわれています。
CBDで再起を図る
CBD(カンナビジオール )は大麻から抽出される生理活性成分カンナビノイドの1つで、様々な健康効果があることから近年とても注目を浴びている成分です。同じカンナビノイドでも、マリファナの有効成分であるカンナビノイドTHC(テトラヒドロカンナビノール)とは異なり、精神を高揚させるなどの日常生活に支障をきたす作用はなく、リラックスや痛みの緩和ケアに安心して使用することができます。
アメリカでは大麻や大麻成分の合法化が進み、鎮痛薬や入眠剤、抗不安剤の代わりにCBDを使用する消費者が増えています。2019年の時点ですでに人口の4分の1がCBDを試したことがあるとされていて、2020年に発生したパンデミックの期間中に、CBDの人気はさらに高まりました。これは多くの人々が不安な状況からくるストレス、不眠などの症状を緩和するためにCBDを利用したことが理由です。
若くして有名になった反動で生活が乱れてしまったマイリー・サイラスは、声帯の手術をきっかけにお酒やドラッグを断ち、ストレス状態や不眠緩和に役立つCBDを生活に取り入れて、キャリア再生に役立てていったと語っています。
痛み緩和だけでなくアルコール依存症やメンタルケアにCBDを取り入れる人が世界中で増えていますが、彼女の場合もその一人だったのです。
「やめたいけどやめられない」にCBDが効く?

CBDには様々な効果が認められていますが、最近では「薬物やアルコール依存症の治療」にも効果があるといわれ、様々な研究が進められています。
タバコやアルコール、ドラッグなどの依存症は、体に有害だと本人が分かっていても心理的・肉体的に依存してしまうというやっかいな性質を持っています。多くの依存症・中毒症患者は、これらの薬物の害を頭では十分に分かっているのに、どうしても止めることができないジレンマに苦しんでいます。
またこのような状態が長く続くことで、アルコールや薬物で体が蝕まれて心身の病気を発症したり、日常生活を送れなくなったり、最悪の場合は死に至ることもあります。
医学界では、依存症は決して本人の意思が弱いわけではなく、脳の病気であるという認識が広まっています。薬物やアルコール依存症から意志の力だけで回復した患者の80%以上が、1年以内に再び依存状態に戻ってしまうほど、依存症の克服は難しいのです。
またアメリカでは医師から処方される鎮痛剤オピオイドの依存症が社会問題になっています。オピオイドは強力な鎮痛効果を持つため、病院などで慢性痛のケアや手術後の痛みケアに使破れます。しかし長期間にわたる使用や不適切な処方が行われると、身体的な依存や中毒症状が生じることがあり、米国ではオピオイド中毒によってこれまでに何万人もが命を落とすなど問題は深刻化しています。
オピオイド中毒の対策として処方薬の監視や、医療従関係者への教育が行われています。そして代替療法として、鎮痛や依存症治療に役立つCBDの研究が進められていて、すでにその治療効果を示唆する結果が発表されています。
依存症に効く理由

CBDはすでにてんかん発作、炎症、慢性痛などをすみやかに抑える効果が認められています。また、がん治療の副作用で起こる吐き気などを軽減するためにもCBDや大麻が使用されています。
CBDが依存症治療薬として役立つのは、副作用なく服用者をリラックス状態に導くことができ、脳内の神経経路を修正して、欲求や禁断症状を抑える働きがあるためです。またCBDは大麻由来の成分でありながら、大麻成分THCが持つ精神活性作用、いわゆるハイの状態を中和して和らげる効果も持っています。この効果がアルコールや薬物依存症によって沸き起こる渇望を和らげ、患者が誘惑にさらされた時も誘惑に打ち勝つことができるようになります。そしてCBDは依存対象を絶ったことで起こる不快な禁断症状やストレスを和らげてくれます。
例えば手術後の痛み止めにオピオイドを処方された患者が依存症になってしまった場合も、オピオイドの依存症を癒しつつ、オピオイドに代わって痛み止めの機能を果たしてくれる可能性があるのがCBDなのです。
オピオイド中毒は、怪我などの負傷が多く体を酷使することの多いプロアスリートの間でもよく見られます。米国のプロスポーツ業界では選手たちのオピオイド中毒を減らすために、大麻製品の使用を許可している団体も増えています。
子役出身セレブの通る道
ハリウッドやスポーツ界のセレブがお酒やドラッグに溺れて、せっかくのキャリアを台無しにしてしまうケースには枚挙にいとまがありません。
華やかな一方で競争が激しく、周りの大人たちとも渡り合っていかなくてはいけない子役出身のセレブであればなおさらのこと。また子役からのイメージ脱却を図り様々なことに手を出し、ゴシップ欄をにぎわすセレブとして迷走してしまうケースも少なくありません。
せっかくの名声が地に落ちたり、体を壊し命まで失ってしまう人も多い中で、ダメージが浅いうちに軌道修正を図ることができたマイリー・サイラスは幸運な例だったといえるでしょう。まだ若い彼女のことですから、自身の経験を生かしてCBDブランドをプロデュースするなど、実業家としての道も開けるかもしれません。
<参考資料>
https://www.nothingbuthemp.net/post/did-miley-cyrus-get-sober-with-help-from-cbd