
「最近、急に吠えたり、落ち着きがなくなったり…ウチの子、どうしたんだろう?」と心配になったことはりませんか?海外の研究では、犬の不安や攻撃的な行動を和らげるのに役立つ可能性があることが報告されています。 本記事では大切なペットのメンタルケアに役立つ情報をご紹介します。
愛犬の行動が教えてくれる心のSOS
愛犬が急に攻撃的になったり、いつもと違う行動を見せたりするとき、その裏には不安や恐怖といった気持ちが隠れていることが少なくありません。知らない人や犬への警戒心、過去に怖い思いをした経験、引っ越しによる環境の変化、飼い主と離れることへの不安など、理由はさまざまです。
こうした状態が続くと、犬の体にはストレスホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌されてしまいます。その影響で脳の働きにも負担がかかり、吠える・噛もうとするなどの行動として表れてしまうことがあるのです。つまりこれらは、愛犬からの「心のSOS」なのです。
犬が攻撃的になる理由として、もっとも多いのは「怖い」「不安」という気持ちからくる自己防衛です。逃げられない状況に追い込まれ、パニックになってしまったとき、身を守る手段として攻撃的になる場合があります。子犬の頃に人や環境に触れる経験があまりなかったり、過去にトラウマがあったりすると、より反応が強く出ることもあります。
さらに、体の痛みや病気が隠れているケースも見逃せません。関節炎や歯の痛みなど、どこかに不調があると、触られるのを嫌がり、痛みから逃れようとして攻撃的に見える行動を取ることがあります。急に行動が変わったと感じたときは、まず獣医師に相談し、体の問題がないか確認することがとても大切です。
さみしさや環境の変化による不安

慢性的な不安の原因としてよく知られているのが「分離不安」です。飼い主への依存がとても強いタイプの飼い犬だと、ひとりで過ごす時間が大きなストレスになり、物を壊してしまったり、ずっと吠え続けてしまったりすることがあります。
さらに、生活リズムの乱れも犬の気持ちを不安定にさせる大きな要因です。食事や散歩の時間が日によって違ったり、毎日の過ごし方が予測しにくかったりすると、落ち着きにくくなってしまいます。
また周囲の刺激が多すぎていつも落ち着けない環境や、逆に刺激が少なく退屈が続く環境も、犬にとってはストレスになります。雷や花火などの大きな音が苦手な「音への敏感さ」も、不安の原因としてよく見られます。
こうした環境的なストレスが積み重なると、ペットの心はどんどん疲れてしまい、不安行動や攻撃的に見える反応につながることがあります。
愛犬のための米ウェルネス研究
アメリカで行われた新しい研究では、犬にヘンプ由来の成分CBD(カンナビジオール)サプリメントを与えることで、攻撃的な行動が和らぐ可能性があることが示されました。
この研究では、数年間にわたる「ドッグ・エイジング・プロジェクト」のデータ、47,355匹の犬の飼い主からの報告を分析しています。結果として、長期間CBDを与えられた犬は、時間の経過とともに攻撃的な行動が少しずつ落ち着いていく傾向が見られました。またCBDを与えられていたのはオス犬が多かったようです。そして不安や興奮といったほかの行動については、攻撃性ほどはっきりした改善は確認されませんでした。また、CBDを使っている犬は平均的に年齢が高く、認知症や関節炎、がんなどの健康問題を抱えているケースが多いこともわかりました。さらに、CBDを与えられている犬の多くは、人間の医療用大麻が合法の州に住んでおり、飼い主の意識や選択が影響している可能性も指摘されています。
研究チームによると、この結果からCBDには犬の攻撃行動を和らげる可能性が示唆されます。
ただし、今回の研究は飼い主の主観に基づくもので、CBDの投与量や製剤の詳細は明らかにされていません。そのため、さらに精密な研究が必要です。
また、研究者はCBDを与える際には投与量の調整や、下痢などの副作用が起きていないか細かく観察する必要があると注意を呼びかけています。

CBDってどんな成分?
CBDは、ヘンプ(大麻草)から抽出される「カンナビノイド」という成分のひとつです。陶酔作用のあるTHCとは違い、精神に作用することはありません。そのため、日本では厳しい基準(THC不検出)を満たした、茎や種子から作られたCBDだけが合法的に利用されています。
CBDは体のバランスを整える働きがある機能エンドカンナビノイド・システム(ECS)に作用するといわれています。この働きにより、リラックスや不安の軽減、炎症の抑制、睡眠のサポートなどの効果が期待されており、最近ではペットにCBDを取り入れる人たちも増えてきています。
ただし、ペットは自分の不安や体調の変化を言葉で伝えることができません。そのためCBDはあくまでサポートのひとつとして考えることが大切です。
不安や攻撃的な行動の原因を取り除くこと、そして病気や痛みがないかを確認することがなによりも優先です。気になる症状がある場合は、まず獣医師に相談し、適切な診察や治療を受けるようにしましょう。
そしてCBDは魔法の薬ではありません。その効果をさらに高めるためには、愛犬の生活環境全体を見直すことが重要です。
- ポジティブなしつけ: 攻撃的な行動が出たときに罰するのではなく、落ち着いている状態を褒めて報酬を与える「ポジティブ・フィードバック」を重視しましょう。
- ストレス源の特定と排除: 攻撃性の引き金となっている音、場所、人などを特定し、可能であればそれらを避ける、または徐々に慣らしていくトレーニングを取り入れましょう。
- 適切な運動と精神的な刺激: 毎日の散歩や遊び、おもちゃなどを通して、愛犬のエネルギーを発散させ、満足感を与えることが心の安定につながります。
まとめ
今回はペット犬へのCBD投与に関する大規模リサーチについてご紹介しました。愛犬の問題行動に悩む飼い主にとって、今回のデータは新しい希望の光となるかもしれません。大切なのは、愛犬が何に不安を感じているのか、体調に問題はないかをしっかり観察しながら、環境の改善やしつけとあわせてサポートとして取り入れること。
信頼できるペット用の製品を選び、体調や様子を確認しながら少しずつ試すことも安心につながります。愛犬の気持ちや体を第一に考え、獣医と相談しつつ正しい知識でCBDを生活に取り入れていきましょう。
参考資料
https://www.frontiersin.org/news/2025/11/28/dog-cbd-supplements-less-aggressive

