
世界では大麻ブランドがスポーツ界に進出中!ドイツのサッカーチーム事例を通して、スポーツ×大麻の新しい関係を紹介します。
タブーを越えて
2025年の8月末にドイツ・ベルリンを拠点とするサッカークラブ、1.FCウニオン・ベルリンが、医療大麻ブランド「avaay Medical(アヴェイ・メディカル)」とトップスポンサー契約を結びました。ブンデスリーガ1部リーグのクラブとしては史上初のことで、「大麻ブランドがサッカークラブのメインスポンサーに!」と大きな話題を呼んでいます。
この契約により、ユニフォームにavaay Medicalのロゴが掲げられるだけでなく、大麻に対する社会的なタブーや誤解を乗り越え、オープンな議論を促すきっかけになるものとして注目されています。
ドイツでは、2017年から医療用大麻が合法化されており、医師の処方箋があれば、特定の病気を抱える患者は医療用大麻を入手できます。また2024年4月1日からは、嗜好用大麻の所持と栽培についても合法化されました。ただし無制限に許可されたわけではなく、所持や栽培の了・使用できる年齢や場所などに制限が設けられています。この法改正の主な目的は、闇市場を縮小し、大麻の品質を管理することで健康被害を減らすことにあります。
サッカーを通して、人々をケアする
ドイツ・ベルリン発の医療大麻ブランド「アヴェイ・メディカル」は、2018年にカンナビノイド製剤の複合企業「Sanity Group」から誕生しました。同社のミッションは、医療大麻に対する正しい理解を広めること。慢性疾患を抱える人々にとっての新しい治療選択肢として、また既存の薬と併用できる医薬品として、厳格な品質管理のもと製品を開発・提供しています。
彼らがサッカークラブのスポンサーとなった理由は、決して広告効果だけではありません。スポーツという多くの人々の注目を集める舞台を通じて、医療大麻にまつわる誤解や偏見をなくし、信頼できる情報を社会に届けることを目的としています。サッカーをきっかけに正しい知識が広がることで、人々がより安心して治療の選択肢を考えられる―今回の提携の背後にはそんなビジョンもあるのです。
スポーツと大麻にある意外な共通点
スポーツと大麻と聞くと、まったく別世界のものに思えるかもしれません。けれども実は「健康」「回復」「コミュニティへのケア」といった共通のテーマを持っています。
アスリートは日々のトレーニングや試合で体を酷使し、ケガや疲労、精神的なプレッシャーと向き合っています。長期的には炎症や慢性的な痛みに悩まされるケースも少なくありません。そんな中で注目されているのが、CBDをはじめとする大麻由来の成分です。これらの成分は体の回復サポートや痛みのケアに役立つ可能性が高く様々な研究が進んでいます。
この流れはアスリートに限った話ではありません。一般の人々にとっても「体を動かすこと」「健康的な生活」そして「メンタルの健康」への関心は年々高まっています。心身の健康を支えるツールとして、新しい可能性に目を向ける人が増えているのです。
とはいえ大麻=怖いもの・よくわからないものというイメージはまだ根強く残っています。その壁を壊すには、誰にとっても身近でポジティブな舞台であるスポーツがうってつけ。実際、1.FCウニオン・ベルリンが医療大麻との取り組みを始めたことは、その象徴的な一歩だと言えるでしょう。

CBDとヘルスケアの3つのポイント
CBDをはじめとする大麻由来のサプリメントや製剤を自分の生活に役立てたい人にとって、今回のスポンサー契約は多くの学びやヒントを与えてくれます。なかでも注目したいのは次の3点です。
- 安心して選ぶための「合法性と透明性」
医療用に開発された大麻由来製品は、法的な枠組みや品質管理、臨床的なエビデンスが整っています。CBD製品も同じことが言えます。購入時には成分表示や検査証明があり、原材料の出どころが明確なブランドを選ぶことが、安心につながります。 - 偏見をなくし、正しい知識を広める「教育」
今回のスポンサー契約は、単なる広告活動にとどまりません。医療大麻やCBDに対する誤解や偏見を和らげ、正しい情報を広める大きなきっかけになります。CBDを試してみたいけれど不安がある人にとって、公に議論され、信頼できる情報が示されることは大きな安心材料となるでしょう。 - 用途に応じた使い分けの「可能性」
スポーツの現場で医療大麻ブランドが注目されることで、CBDだけでなく、他のカンナビノイドや医療大麻製品にも関心が広がっています。たとえば「慢性的な痛みや炎症のケア」「健康維持」「病気の治療や管理」など、目的に合わせて使い分けることが可能です。今後はスポーツ選手の回復サポートだけでなく、一般の人の日常的な健康ケアにも多様な使い方が広がっていくかもしれません。
CBDなどの大麻由来成分を取り入れてみたい人へ
日本では大麻由来製品に独自の厳しい規制があります。その中でCBDのように精神作用がなく、副作用もほとんど報告されていない成分については規制対象外。安心して生活に取り入れることができます。ただし病気治療に使いたい場合は、自己判断せず必ず医師に相談するようにしましょう。
<心身をととのえるサポート>
CBDにはリラックスを促す働きがあり、緊張や不安感を和らげると考えられています。就寝前に取り入れることで、質の良い休息をサポートしてくれるケースもあります。
<炎症や痛みのケア>
スポーツや日常生活で生じる筋肉や関節の炎症やコリ、慢性的な不快感にアプローチするといわれています。アスリートが回復の一環としてCBDを注目しているのも、この作用が期待されているからです。
<健康維持・ウェルネス習慣に>
CBDは、心身のバランスを整える「エンド・カンナビノイド・システム」と関わりが深いとされ、日々の健康維持を後押しする存在としても注目されています。サプリやオイル、スキンケア製品など、ライフスタイルに合わせて取り入れやすい点も魅力です。

リラックスと健康をルーティンに取り入れる
CBDなどの大麻由来成分を取り入れる方法はいくつかあり、ライフスタイルや目的に合わせて選ぶことができます。
たとえば、オイルを舌の下に垂らす方法は吸収が早く、就寝前のリラックスタイムに向いています。毎日の習慣として取り入れやすいのはカプセルやサプリメントで、用量が明確なので続けやすいのが特徴です。スポーツやワークアウトによる筋肉の張りや局所的な痛みをケアしたい場合は、クリームやバームを直接肌に塗る方法が効果的。さらに、ドリンクやグミといった食品タイプは、気軽に楽しみながらリラックスしたいときにおすすめです。
CBDは比較的安全性が高いとされるものの、体質や体調によって感じ方に個人差があります。初めて試す際は必要な使用量をチェックし、少量から始めることが大切です。また、価格に惑わされず、第三者機関のテストを受けた成分がしっかりしたメーカーの製品を選びましょう。
スポーツと大麻〜新しい健康習慣のカタチ
かつては規制がありタブー視されてきた大麻ですが、最近では多くのトップアスリートがリカバリーの一環として取り入れています。中でもCBDは痛みのケアや回復をサポートする効果が報告され、ファンを着実に増やしています。
さらにCBDにはリラックス効果もあるとされ、アスリートが抱えがちなメンタル面のストレス軽減にも役立つと考えられています。練習や試合でかかるプレッシャーから解放され、質の高い睡眠を確保できることで、心身ともにベストパフォーマンスを発揮しやすくなるのです。
スポーツと大麻の関係は、まだ始まったばかり。しかしこの新しい組み合わせは、単にアスリートの回復を助けるだけでなく、私たちの健康やウェルネスの考え方そのものを変え、新しい日常の習慣を生み出す可能性を秘めています。
<参考資料>
https://www.fc-union-berlin.de/en/news/avaay-medical-top-sponsors-at-union-YBEbea

