
CBDってよく聞くけど、大麻とどう違うの?安全?本記事ではCBDと大麻草の違いを解説。さらに、初心者の方が気になる疑問をまとめました。
大麻とCBDは「同じもの」じゃない
最近よく聞くようになったウェルネス成分CBD。大麻と何か関係があるようだけど、何がどう違うの?安全なの?と疑問に思っている人も多いかもしれません。
まず知っておきたいのは、「大麻(ヘンプ)」と「CBD」は同じものではないということ。
大麻は植物の名前で、その中には数百種類以上の成分(カンナビノイド)が含まれています。その代表的なものが THC(テトラヒドロカンナビノール) と CBD(カンナビジオール)。つまりCBDは、大麻に含まれる成分のひとつにすぎません。
THCにも健康に役立つ様々な作用がありますが、一方で精神を高揚させる副作用があり、専門家のもとでの使用が必要です。一方で、CBDは精神作用をほとんど起こさないのが特徴。心身のリラックスやバランスを整える作用が注目されており、依存や乱用のリスクは非常に低いとWHOも報告しています。安心してCBDを理解する第一歩は、大麻植物とそこに含まれるCBD成分を切り分けて考えることです。
どう違う?THCとCBDのはたらき
THCは脳のCB1受容体に強く作用して、多幸感や認知の変化を起こします。これが規制の対象となりやすい所以です。また吐き気や痛みを抑える優れた効果も持っているため、国や地域によっては難病や重病患者に医師の監督のもとで処方されることもあります。
一方CBDは、CB1およびCB2受容体のほかにもセロトニン受容体、バニロイド受容体といった他の受容体や酵素の働きを調整することで、不安を和らげたり炎症や炎症からくる痛みを抑えたりといった作用を持っています。
このように「CBD=体にいい、THC=酔うだけ」と単純に分けることはできません。どちらのカンナビノイドにもそれぞれの性質や効果があり、カンナビノイドの組み合わせによっても変化するため、医療に活用するためのさまざまな研究が進められています。
ヘンプとマリファナの違いって?
大麻草は「ヘンプ」「マリファナ」「カンナビス」など、さまざまな名前で呼ばれます。その違いは何でしょうか。
大麻草も他の農作物と同じように多くの品種があり、品種改良も行われています。一般的に、
ヘンプ:THC(精神作用成分)の含有量が非常に少ない産業用の大麻。医薬品やサプリようだけでなく、繊維を利用しるためにも使われている。
マリファナ/カンナビス:THCをある程度含むものを指すことが多い。医療用だけでなく、嗜好品として使われたり、時には乱用される場合もある。
ただし、これは便宜的な区分であり、厳密な定義は存在しません。大麻草を中立的に表現する場合は、学名に基づいて「カンナビス」と呼ばれることが多いようです。
CBDは規制されている?
海外では、ヘンプ(産業用大麻)から抽出されたCBDで、THC含有量が一定以下(例:アメリカでは0.3%未満)の場合は合法とされています。一方、THCそのものやTHCを多く含むCBD製品については、国や地域ごとに規制が異なります。
日本でも、大麻由来製品には製造方法や成分含有量に関して厳しいルールがあります。特にCBD製品に含まれるTHCの量が厳しく管理されるようになり、定められた残留限度値を超える製品は違法扱いとなります。そのため、製品を選ぶ際は成分分析表(COA)が公開されているかどうかが重要なチェックポイントになります。

安全性は高いけど「完全に無害」ではない
CBDは比較的安全といわれていますが、体に全く副作用がないわけではありません。
研究では、眠くなる・お腹がゆるくなる・食欲が落ちる・めまいがするといった軽い副作用が報告されています。化学薬品と比べれば副作用はかなり弱めですが、運転や仕事をする前には気をつけておきたいポイントです。もちろん、誰にでも必ず起こるわけではありません。
また、薬を飲んでいる人は注意が必要です。CBDが薬の働き方に影響してしまう可能性があるからです。
「体にいいらしい」「自然のものだから安心」と自己判断せず使用量を守り、気になる場合は医師に相談しましょう。
病気にもきくの?
CBDが医学的に最も効果が認められているのは小児てんかんの治療です。アメリカでは「エピディオレックス」という高純度のCBD医薬品が承認され、難治性てんかんの治療に使われています。
また大麻草には、がんの痛みの緩和や化学療法による副作用の軽減といった効果もあり、アメリカでは医師がCBDとTHCを両方含む医療用大麻を処方するケースもあります。
そのほかにもCBDは不安・不眠・慢性的な痛みをやわらげる目的でたくさんの研究が進んでいます。特に社会人の現代病とも言えるストレスや不安による不眠で悩む人には改善例が多く、関節痛や筋肉痛など炎症からくる痛みに対しても効果が期待されています。そのため、副作用が少ない「新しいタイプの鎮痛剤」としても研究が進んでいます。
ただし効果の出方は人によって違うため現在のところ万能な治療法とまでは言えません。それでも、社会人やアスリートを中心に、多くの人がCBDを生活に取り入れています。
CBDに関するよくある質問

CBDに関するよくある質問を、わかりやすくまとめました。初めての方はぜひ参考にしてみてください。
Q1. CBDを摂るとハイになる?
→ 答えはNoです。CBDはTHCのような陶酔作用を起こさない非精神作用性の成分です。リラックス感を得る人はいますが、いわゆる「ハイ」状態になったり、幻覚が見えたりすることはありません。
Q2. 日本でCBDを使うのは合法?
→ 日本では、成熟した大麻の茎や種子から抽出されたCBD製品は合法とされています。ただしTHCが混入していると違法になるので、信頼できるメーカーから購入し必ず成分分析表を確認しましょう。
Q3. CBDはどんな形で摂取できますか?
→ オイル、カプセル、グミ、リキッド、スキンケア製品などさまざまです。吸収スピードや持続時間が異なるため、ライフスタイルに合わせて選べます。
Q4. すぐ効果を感じられる?
→ 個人差が大きく、すぐにリラックスを感じる人もいれば、数日〜数週間続けて初めて効果を実感する人もいます。用量や体質によって変わります。一般的にはCBDオイルを舌下に垂らして服用するなど、直接粘膜から吸収する方が食べたり飲んだりするより早く効果が現れるとされています。
Q5. 子どもや妊婦が使っても大丈夫?
→ 小児てんかんには医薬品として使われていますが、一般的なサプリメント用途としては十分な安全性データがありません。妊娠中や授乳中は使用を控えるのが無難です。
Q6. 他の薬と一緒に飲んでも平気?
→ 一部の医薬品はCBDと相互作用があると報告されています。現在薬を飲んでいる場合は、必ず医師に相談してから服用するようにしましょう。
まとめ
今回はCBDと大麻草の違いや、安全性、摂り方、医療や健康での活用についてご紹介しました。CBDは比較的安全な成分で忙しい毎日のリラックスや体調サポートにも役立ちます。初めて使うときは、誇大広告に惑わされず、正しい情報を確認しながら、自分の生活に上手に取り入れていきましょう。