
CBDがストレスや不安を和らげる効果について、最新の科学的な研究結果をもとにやさしく解説。初めてCBDを使う方でも安心して試せるようにポイントをまとめました。
ストレスには2種類ある
最近よく耳にする成分CBD(カンナビジオール)。「ストレスや不安にいいらしい」と気になっている方も多いのではないでしょうか。大麻草由来のCBDの効果は以前から知られてきましたが、心を落ち着ける仕組みについては、現在さまざまな科学研究によって少しずつその謎が解き明かされています。
ストレスという言葉を私たちは日常的に使っていますが、医学的には「体や心にかかる刺激や負担に対する反応」を指します。私たちがプレッシャーを感じたり、危険を察知したりすると、脳が「ストレス反応」を引き起こします。その際に働いているのが自律神経とホルモンです。
まず自律神経のうち交感神経が優位になり、アドレナリン・ノルアドレナリンが分泌されて心拍数や血圧が上昇します。
そしてストレスホルモンの代表格コルチゾールが分泌され、体を「戦闘モード」にします。これは本来、生き延びるための大切な防御反応で、短期的には集中力を高めたり危険から身を守ったりする役割があります。問題はこのストレス反応が長く続いてしまうこと。長期的なストレスは気分の落ち込みや病気など、心身の不調を招く大きな原因になるのです。
なぜCBDはストレスに効くの?
私たちの体にはエンド・カンナビノイド・システム(ECS)という仕組みがあります。ECSは気分・睡眠・食欲・痛みなどを調整する大事な役割があり、心と体のバランスを管理しています。ところがストレス状態が続くとこのシステムが乱れてしまい、心身の不調につながります。CBDはこのECSに働きかけて、バランスを取り戻すのに役立つと考えられています。
さらに研究によると、CBDは脳のセロトニン受容体にも働きかけることがわかってきました。セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれることもある神経伝達物質で、気分を安定させたり不安を和らげたりする働きがあります。CBDがこのセロトニン受容体を活性化することで、心を落ち着ける効果が期待できるのです。
また、注目されているのがGABA(γ-アミノ酪酸)との関わり。GABAは神経の興奮を抑えてリラックスをもたらす自然に体内に存在する物質です。CBDはこのGABAの働きを後押しすることで、過剰な緊張やストレスでこわばった心身をゆるめてくれると考えられています。
つまりCBDは複数の仕組みに同時にアプローチすることで、ストレスケアに役立っている可能性があるのです。

最新研究で分かった、CBDとストレス緩和
CBDとストレスの関係は世界中で研究が進んでいて、その効果を裏づけるデータも少しずつ積み重なってきています。ここでは、その一部をご紹介します。
人前で話すのが極端に不安になる「社会不安障害(SAD)」の患者を対象にした研究では、被験者にスピーチをしてもらう前、ある人にはCBDを、別の人にはプラセボ(偽物の薬)を飲んでもらったところ、不安や不快感のレベルに明らかな差が出たというのです。
また戦争体験や事故などのトラウマが原因で、常に強い不安やストレスを感じ続けるPTSD(心的外傷後ストレス障害)に対しても、CBDの可能性が注目されています。複数の研究で、CBDや大麻草を用いた治療が 不安・不眠・悪夢 といった症状を和らげる効果を示したと報告されています。
そして病院に通うほど深刻ではない、日常的に慢性的なストレスや不安を抱えている人の間でも愛用者が続々と増えています。
その魅力の一つは、他の医薬品に比べて副作用が非常に少ないことです。研究によると、適切な量を守って使用すれば、重篤な副作用はほとんど報告されていません。まれに眠気や胃もたれといった軽い症状が出ることはありますが、命に関わるような危険性は報告されておらず、品質さえ確認できれば安全して使用できるのです。
ストレスのタイプ別・CBDの選び方と使い方
CBD製品は種類も多く、どれを選べばいいか迷ってしまいます。ここではストレスのタイプやライフスタイルに合わせたおすすめのCBD製品と使い方をご紹介します。
- 急な不安や緊張を和らげたいとき
プレゼンや大事な商談の前など、すぐにリラックスしたいときは即効性のある摂取方法がおすすめです。
おすすめ製品>CBDオイル(舌下摂取)やCBDベイプ
使い方:
CBDオイル: 舌下に数滴垂らして60秒ほど保持してから飲み込むと、舌下の毛細血管から吸収されリラックス効果を感じやすくなります。
CBDベイプ: 肺から直接吸収されるため、数分以内に効果を実感できることが多いです。数回吸い込むだけでOK。 - 慢性的なストレスや不眠対策
日常的なストレスや眠りの質の低下には、継続的な摂取 がポイントです。
おすすめ製品>CBDオイル、CBDカプセル、CBDグミ
使い方:
CBDカプセル: 摂取量を一定に保ちやすく、持ち運びも便利。食事と一緒に摂ると吸収率が高まると言われています。
CBDグミ: おやつ感覚で美味しく摂取できるので、CBDの苦味が苦手な方や初心者にもおすすめです。 - 体の緊張や筋肉のストレスを和らげたいとき
肩こりや首の張りなど、体の緊張が気になるときは 外からのアプローチ も有効です。
おすすめ製品> CBDオイル、CBDクリーム、CBDバーム
使い方:
凝り固まった肩や首、腰などに直接塗ってマッサージします。CBDが皮膚から吸収され、局所的な筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。いつも使っているバームに CBDオイルを数的混ぜてみるのも良いでしょう。
これらの製品を目的に応じて賢く使い分ければ、日々のストレスケアをより効果的にサポートできます。

初心者が安心して試すためのポイント
CBDを初めて使う方は、不安を感じることもあるかもしれません。ここでは、安心してCBDを始めるための大切なポイントをまとめました。
少量から始める
CBDの適切な摂取量は、体重や体質、目的によって個人差があります。最初は少量から始め、体の反応を見ながら徐々に量を調整していきましょう。
信頼できる製品を選ぶ
品質が保証された製品を選ぶことが何よりも重要です。第三者機関によるラボテスト(成分分析)の結果を公開しているメーカーを選びましょう。表示されているCBD含有量が正確であることや、THC(精神作用を持つ成分)や農薬、重金属などの有害物質が含まれていないことを確認できます。
継続することが大切
CBDの効果は即効性がある場合もありますが、多くの場合は継続的に摂取することで体の働きが整い、しだいに効果を実感できるようになります。最低でも2週間から1ヶ月は続けてみましょう。
医師や専門家への相談
現在、常用薬を飲んでいる方や治療中の方は、CBDを使う前に医師や薬剤師に相談しましょう。
これらのポイントを押さえることで、安全に、そして効果的にCBDをストレスケアに取り入れることができるでしょう。
まとめ
CBDはなんでも直してくれる魔法の薬ではありませんが、私たちの心身のバランスを整え、ストレス社会を生き抜くための心強い味方となってくれそうです。スレトスを軽減できる生活習慣の改善に加えて、今回の記事を参考にCBDの力を体験してみてください。
<参考文献>
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8704602