大麻草から抽出される成分には様々な健康効果があることがわかってきました。また摂取方法には様々なチョイスがあり、気軽に試すことのできる食べる「エディブル」タイプもその１つ。この記事では、エディブルタイプの特徴と使用の際の注意点、安全な製品を選ぶためのポイントについて紹介します。

欧米を中心に大麻の規制が緩和されていますが、大麻の摂取方法にはたくさんの意見があります。例えば、電子タバコやオイル、クリームなど様々な方法がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。また、添加物が含まれている場合もあり、その影響が心配されています。どの方法が一番安全なのでしょうか。

エディブル大麻とは？

エディブル大麻とは、大麻草から抽出された成分を食品にブレンドしたものです。最もポピュラーなのではお菓子としても人気のあるグミで、他にもクッキー、チョコレート、キャンディなど様々なタイプがあり、普通の食品と同様に口から摂取します。これらのエディブルに配合されている成分の中で最もポピュラーな大麻由来成分は健康効果の高いCBD（カンナビジオール）とTHC（テトラヒドロカンナビノール）です。

CBDとTHCは、大麻に含まれる100種類以上ある化合物カンナビノイドの1つです。CBDは精神活性を持たず、体内の神経系や免疫系の受容体と相互作用し、不安やうつの緩和（リラックス効果）、炎症の抑制、痛みの軽減、てんかんの治療、睡眠障害の改善などの健康効果が期待できます。扱いやすく安全性が高いため、多くの人々に利用されています。

もう１つのTHC（テトラヒドロカンナビノール）は中枢神経系に作用し、高揚感やリラックス感などの心理的効果を引き起こします。このためTHCを多く含む大麻製品は、娯楽やリラックス、ストレス解消などの目的で使用されることが多いですが、鎮静や痛みを抑えたり、吐き気や食欲不振を改善する効果も知られています。精神作用を引き起こしやすい性質があるため、アルコールなどと同じように、使用や販売には法的な規制が加えられることが一般的です。（日本ではTHCが法律で禁止されていますので注意が必要です。）

大麻草独特の味が気にならず、持ち運びもしやすいため味付きエディブルタイプを好む人は増えているようです。

喫煙の場合と比べたエディブルタイプの特徴

＞肺への影響

大麻は、喫煙することで熱によって発生する有害物質を肺に吸い込むため、肺にダメージを与える可能性があります。エディブルタイプは消化器を通じて体内に取り入れるため、肺への直接的な影響はなく、煙や匂い、火事の心配がありません。

＞発症時間と持続時間

エディブルは消化器官を通じて吸収されるため、効果が現れるまでに30分から2時間程度かかることがあります。一方、喫煙大麻は数秒から数分で効果が現れます。即効性のある喫煙に比べエディブルの効果はじんわりと数時間にわたって続くため、アップダウンが少なく安定した結果が得られると感じる人もいます。

＞依存性

エディブルは、喫煙に比べて中毒性や依存性が低いと考えられています。また効果がゆっくりと現れるため、過剰摂取のリスクが低いとされています。また成分の含有量が比較的把握しやすいことも大きいでしょう。ただしお菓子の見た目や味に惑わされて、適正量よりも多く摂取してしまったり、子どもが知らずに手を出してしまうというケースも報告されています。エディブル大麻はあくまでも健康のためのサプリメントや医薬品的な存在であり、摂取量や扱いには十分な注意が必要です。また糖分や添加物などの多すぎる製品もありますので添加物の少ない製品を選んだり、成分表などをチェックすると良いでしょう。

「食べる大麻成分」のメリットデメリット

以下ではエディブルのメリットとデメリットをわかりやすくリストにまとめました。

エディブル大麻のメリット

肺への影響がない
依存性が低い
効果が持続する
手軽に試すことができ味が気にならない
様々なタイプがあり美味しく摂取できる
煙や臭いがなく、周囲への影響が少ない
持ち運びが楽

エディブル大麻のデメリット

効果が現れるまでに時間がかかる
味や形状からくる食べ過ぎによる過剰摂取
子どもや青少年の誤用リスク
食品添加物による健康への影響が懸念される
持ち運びや保存に注意が必要

どんな目的で食べるの？

代替療法への関心が高まる中、カンナビジオール（CBD）のもつ抗炎症作用や鎮痛作用に関心を持つ人が増えています。CBDはオイルやカプセル、クリームやパッチなどさまざまな形で入手できますが、米フォーブスの調査によると、米国の成人の間ではCBDグミが最も好まれているようです。

痛みや不眠症の緩和のためにCBDエディブルを利用する人が増えており、この場合は「ブロードスペクトラム」と呼ばれるタイプが好まれています。これはCBDだけでなく、微量のTHC（0.3%以下）を含む大麻草からの成分を幅広くブレンドしたものです。また、エディブルは効果が長時間持続するため、痛みの管理などの医療目的にも適していると言われ、医薬品としての実用化に向け、各国で臨床実験が行われています。

安全にエディブル製品を楽しむには

大麻から抽出される成分は、どのような形で摂取しても、個人の体質や代謝によって効果が異なります。初めて使用する場合は、少量から始めて、効果が現れるまでに時間がかかることを理解した上で摂取しましょう。

また未成年や子どもがうっかり手にすることがないよう、安全な場所に保管し、治療が目的で使用する場合は、医師と相談し現在服用している薬に影響がないかを確認することも大切です。
エディブル大麻は、安全性が高いと考えられますが、デメリットも存在します。安全上の注意点を守り、健やかな生活に役立てましょう。