皆がプレゼント選びに頭を悩ませるホリデーシーズン。大麻や大麻由来成分の合法化がすすんでいる欧米ではプレゼントに大麻や大麻グッズをチョイスする人も増えているそうです。
大麻をギフトにする時代がやってきた
大麻のメインストリーム化が急スピードで進む米国。人々の抱くイメージも変化し、近年では自分で利用するだけでなくプレゼントとして大麻そのものやCBD製品などの大麻関連グッズを贈ったり贈られたりすることもポピュラーになっています。
CBDなどの大麻草由来成分は日本ではまだ認知度が低く、「なんだか怖い」「中毒性がありそう」というイメージを持つ人もまだ多いのですが、北米大陸などを中心に大麻由来成分だけでなく嗜好用も含めた大麻自体の服用も合法化されている地域が増えてウェルネスサプリとして認識されています。パンデミック下で世界的に健康意識が高まり、心の平安を求めてナチュラルな健康法に人々が注目したのも認知度を高めた一因です。
これらの成分を配合したドリンクやお菓子メーカーも増え、オンラインや小売店を通じて気軽に購入することができます。
お酒に代わるよりヘルシーな楽しみ
大麻草に含まれる薬理成分カンナビノイドの中でも、現在最も人気のある成分CBD(カンナビジオール)はリラックスや安眠効果、炎症や痛みの緩和など様々な効果が期待できることがわかっており、中毒性や依存性もないことから日本を含め多くの国で法律に触れることなく使用することができます。
カナダや米国の一部など大麻喫煙が合法とされている地域では飲酒の増える年末の健康対策として、お酒は控えてCBD製品を利用したり大麻を喫煙したりすることで、アルコールの摂り過ぎを防ごうとする人も増えているといいます。
またパーティシーズンで暴飲暴食しがちな1月の後、1月に入り「ドライジャニュアリー」と称して1ヶ月の禁酒を行う人が多いため、ノンアルドリンクや低アルドリンクに合わせて大麻グッズを取り入れフィットネスやダイエットに生かす人も多いようです。
「大麻は危険」というイメージをもたれることが多いのは、現在規制対象になっている国が多いこと、そしてカンナビノイドの中でもTHC(テトラヒドロカンナビノール)の及ぼす向精神効果に由来します。CBDと同じく様々な病気に役立つ薬理効果を持つTHCですが、副作用として精神を高揚させる働きがあり、いわゆるハイ状態を引き起こしてしまうためです。このため大麻喫煙が合法化されている国であっても、アルコールやタバコと同じように年齢制限を設けて、車の運転を禁止するといった安全のための規制が適用されています。
また非合法であるために、闇ルートで流通してしまったこともマイナスイメージの一因でしょう。アルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止されたアメリカの禁酒法時代(1920 –1933)に、マフィアがその流通を握っていた状況と類似しているのです。
プレゼントしたい相手No.1は「友だち」
パンデミックのため多くの人が外出自粛を行った2020年クリスマス・シーズンに米国カリフォルニア州で行われた調査では、ホリデーギフトのチョイスとしてとして大麻の「バッズ」と呼ばれる花穂、大麻やCBDを配合した菓子などの食品などを挙げる人が増えたといいます。また回答者の大多数はまた、休暇中にアルコール消費を大麻に置き換えることを計画していると述べました。(GlassHouse Group調べ)
また大麻ギフトを送る相手は
1位:友人
2位:家族の一員
3位:パートナー
という結果に。
ほかにもホリデーシーズンに大麻を消費する理由として、「よりよい睡眠」「健康」「娯楽」「ストレス管理」「痛みの緩和」「ホリデーを祝う」「創造性を高める」といった理由が挙げられています。
どんなグッズが人気?
実際に、どのような大麻関連ギフトが注目されているのでしょうか。
お気に入りのバッズやCBDオイルやリキッドをプレゼントするのは定番ですが、よりギフトらしいムードがあるのはデザインの美しい喫煙用パイプです。「LAタイムズ」では、折りたたみ式のアーミーナイフのようにして携帯できる機能的なデザインのパイプや、メイクアップテーブルのようなポップなデザインの喫煙グッズなどが紹介されています。
また職人技を感じさせる木製の大麻グラインダーもギフトらしい一品です。グラインダー/粉砕機は大麻を吸うときにバッズや葉のかたまり粉砕する道具ですが、細かくすることで空気の通りをよくしパイプをつまらせないようにするだけでなく、茎を取り除き、大麻の有効成分が焼ける表面積を広げるという役割も持っています。
ほかにも美肌効果のある美容液などのCBDビューティコスメや、ワークアウトやスポーツ好きの人におすすめのCBD配合リカバリークリーム、話題作りにも楽しいチョコレートやカラフルなグミなどのお菓子も人気です。
またCBDを配合したラー油、カンナビノイド入りの蜂蜜、CBDを繊維に織り込んだ安眠パジャマなどユニークな商品が続々と登場しています。
まとめ
驚くほどバラエティ豊かになった大麻グッズ。今年のホリデーシーズンに合法的に大麻やCBDデビューをする人はますます増えていくものと思われます。
日本でもCBDグッズの認知度が上がり「リラックスできそう」「一度試してみたい」といったコメントも次第に聞かれるようになってきました。
日本では現在、病気の治療に使用される医療用大麻の解禁と大麻使用罪の創設を含めた大麻取締法の改正が検討されています。慎重な判断を要するファクターですが、欧米の様々な事例を参考に、徐々に状況は変わっていくのかもしれません。
<参考資料>
https://www.insider.co.uk/sponsored/most-popular-cbd-gummies-you-25356904
https://www.latimes.com/lifestyle/story/2021-11-04/weed-gifts-spice-up-holidays-pipes-grinders-more